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日経平均株価のニュース
【井川純一の今夜も兜町で一杯】上がれば官軍なのよ
今日1月11日(水曜日)の日経平均株価は63円23銭高の1万9364円67銭と4日ぶりに反発。東京株式市場は、押し目買いが優勢。日経平均は前日まで3日続落していたこともあって、値ごろ感からリバウンド期待の買いが入ったようです。ただ、日本時間深夜のトランプさんの会見内容を前に、様子見ムードも漂う……そんな感じでしょうか。
◆
11日付の日本経済新聞1面で「次世代航空機のエンジン基幹部品に日本発の新素材が採用される。軽量で高い耐熱性を持つ炭化ケイ素(SiC)繊維という材料で、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が最新エンジンに導入。日本カーボンなど国内2社が供給する」と報じられ、日本カーボン<5302.T>が一時ストップ高。
ここから連想が波及してGSIクレオス<8101.T>が急伸。商いを大きく膨らませて一時15%近い上昇で147円まで買われる場面があった。同社はナノテク分野に展開し、特にナノカーボンの代表的材料であるカーボンナノチューブ(CNT)の開発で先駆している。PBRがわずか0.5倍台と株価指標面で割安感があることで低位株物色のターゲットとなったようだ。
このGSIクレオスは当欄12月15日付「共通項は低位割安なんです」で、「あくまで勘だが、ふと見たGSIクレオスも面白そう」と触れているだけに、ようやく動意してくれて、ほっとしている。ただ、日本カーボンと“ナノカーボンつながり”でツレ高しただけとの見方もあるが、上がれば官軍といったところだわね。
「上がれば官軍」と言えば、これが口癖だった先輩記者を思い出す。バブル景気ちょっと前のころだから、まだ兜町に魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)していたころだ。当時、僕は今はもう倒産して久しい株式専門紙の駆け出し編集者だったが、この先輩の記事に興味しんしんだった。興味しんしんといっても、凄いとか面白いといった類の記事ではない。なんの変哲もない会社紹介記事なのだが、数日後には取り上げた企業の株が急騰することが度々あった。ある時は、新製品紹介だったり、またある時は事業紹介だったりする。銘柄推奨的なところは微塵もない記事なのに、なぜかちょっとして急騰するのである。
「偶然とは恐ろしいなぁ」と思ったりしていたのだが、次第にそうではないことに気付く。当然、「上がる銘柄」を予知しているわけもなく、「上がる銘柄」、いや「上げる銘柄」を知っていただけに過ぎないのである。“知っていた”というのも変な話だが、当時はさほど珍しくもなかった。まぁ、昔々のおとぎ話で、もはやそんなことがあろうはずもないが(…と思うが)、良し悪しはともかく、なかなか奥の深い時代だったのである。
「上がれば官軍なのよ」と言いつつ、にやっと笑った強面の先輩も、もはや鬼籍に入った。百鬼夜行の兜町、昭和は遠くなりにけり……なのである。
《KC》
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
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11日付の日本経済新聞1面で「次世代航空機のエンジン基幹部品に日本発の新素材が採用される。軽量で高い耐熱性を持つ炭化ケイ素(SiC)繊維という材料で、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が最新エンジンに導入。日本カーボンなど国内2社が供給する」と報じられ、日本カーボン<5302.T>が一時ストップ高。
ここから連想が波及してGSIクレオス<8101.T>が急伸。商いを大きく膨らませて一時15%近い上昇で147円まで買われる場面があった。同社はナノテク分野に展開し、特にナノカーボンの代表的材料であるカーボンナノチューブ(CNT)の開発で先駆している。PBRがわずか0.5倍台と株価指標面で割安感があることで低位株物色のターゲットとなったようだ。
このGSIクレオスは当欄12月15日付「共通項は低位割安なんです」で、「あくまで勘だが、ふと見たGSIクレオスも面白そう」と触れているだけに、ようやく動意してくれて、ほっとしている。ただ、日本カーボンと“ナノカーボンつながり”でツレ高しただけとの見方もあるが、上がれば官軍といったところだわね。
「上がれば官軍」と言えば、これが口癖だった先輩記者を思い出す。バブル景気ちょっと前のころだから、まだ兜町に魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)していたころだ。当時、僕は今はもう倒産して久しい株式専門紙の駆け出し編集者だったが、この先輩の記事に興味しんしんだった。興味しんしんといっても、凄いとか面白いといった類の記事ではない。なんの変哲もない会社紹介記事なのだが、数日後には取り上げた企業の株が急騰することが度々あった。ある時は、新製品紹介だったり、またある時は事業紹介だったりする。銘柄推奨的なところは微塵もない記事なのに、なぜかちょっとして急騰するのである。
「偶然とは恐ろしいなぁ」と思ったりしていたのだが、次第にそうではないことに気付く。当然、「上がる銘柄」を予知しているわけもなく、「上がる銘柄」、いや「上げる銘柄」を知っていただけに過ぎないのである。“知っていた”というのも変な話だが、当時はさほど珍しくもなかった。まぁ、昔々のおとぎ話で、もはやそんなことがあろうはずもないが(…と思うが)、良し悪しはともかく、なかなか奥の深い時代だったのである。
「上がれば官軍なのよ」と言いつつ、にやっと笑った強面の先輩も、もはや鬼籍に入った。百鬼夜行の兜町、昭和は遠くなりにけり……なのである。
《KC》
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
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