米9月利上げのハードル高し=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2015/09/04 08:55

米9月利上げのハードル高し

昨日は欧州中銀(ECB)が追加緩和に前向きな姿勢を示した影響が米国債にも及び、その利回りが低下。また、米短期金利市場(FF金利先物)では9月利上げの織り込み度合いは30%にまで低下した。これらを受けてドル/円は一時119.60円台に下落する場面があった。

ユーロ圏が金融緩和の強化を視野に入れている事が明らかとなった上に、中国経済への懸念がくすぶる中では、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期の利上げに動く事は難しいとの見方は自然のようにに思える。

本日は米8月雇用統計(21:30)が注目されるが、9月利上げ観測を再浮上させるためには著しく強い結果が必要になりそうだ。先行指標の結果などから著しく弱い雇用統計になる公算は小さいと見るが、「そこそこ」の強さではドルの上値は限られよう。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想