「中国バブル崩壊なら何が起きるか？」 大和総研がリポート

　大和総研は２４日「中国バブルが崩壊すると何が起きるか？」とのリポートを発表した。中国の現状をどう分析するかは、今回の世界連鎖株安のポイントだが、同リポートではメーンシナリオとして、「中国経済が当面、危機的状況に陥る可能性は限定的だと考えている」と指摘。仮に中国で銀行融資の焦げ付き額が急増した場合でも、「ただちに中国の財政危機が発生すると考えるのは早計」とみている。
　ただし、本当に怖いのは「将来的に大規模な資本ストック調整が発生するリスク」という。３～５年程度の中長期的なタイムスパンでは、「中国で過剰資本ストックの大規模な調整が起こるリスクを警戒するべき」とみている。資本ストック調整が発生した場合、「中国の潜在成長率は“最善”でも４％程度まで低下し、実際の経済成長率はゼロ近辺で推移することになる」と予想している。
　より一層深刻なのは「メルトダウン」シナリオ。「期待成長率が低下し資本ストック調整が不良債権問題をより一層深刻化させた場合、スパイラル的に経済はメルトダウンに向かう」と分析。この場合、「中国の潜在成長率は１．６％程度まで低下し、実際の経済成長率は大幅なマイナスが続くことが懸念される」とみている。中国がメルトダウンに陥った場合「その影響は世界経済を奈落の底に叩き落とす、史上最悪レベルのインパクトを持つことになりかねない」と警告している。
　



出所：株経通信（株式会社みんかぶ）