「まさかの否決」も、リスク回避姿勢は限定的…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/07/06 10:19

◆「まさかの否決」で窓空けスタート

※ご注意:予想期間は7月7日と表示されていますが、本日(7月6日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


ギリシャ国民投票は「まさかの否決」となりました。

これを楯にしてギリシャは“債権団に譲歩を迫る”と見られますが、「緊縮財政は受け入れない」「債務減免を希望」「でもお金は貸して欲しい」という理屈が簡単に通るとも思えません。
このため「デフォルトは避けられない」「ユーロ圏離脱の可能性も高まった」との見方が台頭し、先週初に続く“リスク回避の窓空けスタート”を演じています。

◆しかしリスク回避ムードはそれほど高まっていない…?

もっとも先週初と比べて“下げ幅は小さく”、オープニング以降は“ジリジリと値を戻す”動きも見せています。
これは「リスク回避ムードはそれほど高まっていない」を示唆する動きであり、つまり「可決を見込んだ向きのポジション調整(損切り)が入っただけ」とも考えられます。
ましてや「122円割れで“強烈なドル買いニーズ”」が見られていますので、“ここからの下値は堅い”と考えることが可能です。

◆神経質な揺れ動きが想定されるが、ここからの下値は堅い!?

「ECB(ギリシャ銀行向け緊急流動性供給継続の有無)」「ユーロ圏首脳会合の判断」が目先の注目となりますので、これに向けた思惑が“神経質な揺れ動きをもたらす”と見るのが自然です。
このため目先は様子見が基本となりますが、それでも「デフォルトは“すでに織り込み済”」「ユーロ圏離脱の判断は“現時点では早計”」、つまり「さらなるリスク回避姿勢は台頭しづらい」を前提にして、シナリオを組み立てたいとこです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:123.000(大台)
上値4:122.669(7/3終値)
上値3:122.598(7/3安値)
上値2:122.213(日足・一目均衡表先行スパン上限)
上値1:122.139(50日移動平均線)
本日始値:121.985
下値1:121.720(7/6オセアニアタイム安値)
下値2:121.617(日足・一目均衡表先行スパン下限)
下値3:121.543(5/14~6/5の61.8%押し)
下値4:121.449(5/25-26安値)
下値5:120.983(100日移動平均線、大台)

※窓を空けて始まっていますので、いつもと基準値を変更(前日終値⇒本日始値)して記載しております。
※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:29 ドル円 抵抗・支持ライン追加
11:24 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想