「円は買い控えムード 」=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2015/04/01 15:55

緩和期待で円が反落

東京市場のドル/円は、日本株の下落に連れて119.40円台まで弱含んだが、午後に入ると急速に切り返して一時120円台を回復する場面があった。
一部通信社が、アベノミクスの仕掛け人の発言として「4月30日の日銀会合が緩和を行う『良いタイミング』だ」と報じた事が短期筋の買戻しを誘ったと見られる。あまり強く意識するほどの内容ではないようにも思えるが、市場としては「4月30日」を意識の片隅に置かざるを得なくなった事も確かであろう。

米経済指標と長期金利が重要

そうした円の買い控えムードが広がる事でドル/円の下値はある程度固まると見られる。その間にドルが上昇できれば、ドル/円の上昇は比較的大規模なものになる可能性がある。本日発表される米3月ADP全国雇用者数(21:15)及び米3月ISM製造業景況指数(23:00)の結果や、それらを受けた米長期金利の動向が重要となろう。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想