まずは“下値確認”が基本も、“上値追い”への期待は募る…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/03/31 10:42

◆様々な要因が重なり、一週間ぶりの120円回復

※ご注意:予想期間は4月1日と表示されていますが、本日(3月31日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


119円前半を中心に膠着を続けてきたドル円は、23日以来となる120円回復を見せました。
先週1週間かけて下げた値幅を、一気に吐き出した格好といえます。

キッカケは、上海証券報が報じた「中国人民銀行が重大事由を発表」を背景にした“中国景気刺激策への期待”でした。
結果的にこれは不発となりましたが、「各国外貨保有率は“ユーロ低下、ドル増加”」「ドル買いに拍車がかかる可能性」とWSJ紙報道がその後に流れたことから、失望感が台頭することはありませんでした。

ギリシャ2段階格下げ(27日、フィッチ:B⇒CCC)の影響もあってユーロドルは1.08ドル前半まで下落、ドル円は119円後半へと上昇。
そして注目のPCEコアデフレータが事前予想を上回った(前年比+1.4%)タイミングで、120円の大台へと駆け上りました(ちなみに前月比+0.1%は予想通り)。

◆輸出筋のドル売りニーズから、東京タイムは上値が重そう

こうして1週間ぶりに120円台に乗せたことで、「さらに上値を模索できるか?」へ注目点が移ると見られます。
ただ1週間ぶりの120円水準ということを考えると“輸出筋のドル売りニーズは相応存在する”と見るのが自然であり、東京タイムは上値の重さが懸念されるところです。

◆ただ欧州・NYタイムに移れば…?

それでも“NYダウ大幅上昇⇒株高の連鎖⇒リスク選好”が期待できる局面であり、欧消費者物価指数(HICP)が予定される欧州タイムには“ユーロ主導の揺れ動き”が期待されるところです。
NYタイムには、前回値を上回ると見られるシカゴ購買部協会景気指数等も控えています。

基本的には「120円ラインでしっかりと下値を支えられるか?」をまずは確認すべきなのでしょうが、期待は募るばかりです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:121.190(3/20高値)
上値4:120.916(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:120.512(ピボット1stレジスタンス)
上値2:120.410(20日移動平均線)
上値1:120.220(3/30高値)
前営業日終値:120.107
下値1:120.000(大台)
下値2:119.759(日足・一目均衡表転換線、3/30の38.2%押し)
下値3:119.670(3/30の50%押し)
下値4:119.497(3/26~3/30の38.2%押し、3/30の61.8%押し、14/12/8高値-15/2/11を結ぶトレンドライン)
下値5:119.342(50日移動平均線、3/26~3/30の50%押し、ピボット1stサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:53 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想