“もどかしい”が基本も、期待は“さらに膨らむ”…!?

著者:武市佳史
投稿:2014/11/28 11:04

◆流動性が乏しい中、ジワリジワリと値を戻す

※ご注意:予想期間は11月29日と表示されていますが、本日(11月28日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

昨日は米感謝祭で流動性が乏しい中、ドル円はジワリジワリと値を戻す展開でした。
ユーロ軟調ならびにカナダドル/ノルウェークローネの下落が、ドル買いを促したからです。

ユーロ軟調の背景にあるのは、縮小傾向が目立った「独各州の消費者物価指数(CPI)」でした。
これがECB追加緩和の再燃へとつながり、ユーロ売りが促されました。
一方で事前報道通り、OPEC(石油輸出国機構)は「減産見送り」を決定しました。
産油国通貨は敏感に反応し、カナダドル・ノルウェークローネは急落となりました。

◆“さらなる上値追いへの期待”も膨らむ動き…

どちらも対ドルでの下落が目立ったことで、ドル買いが押し出される形で優勢となっていきました。
欧州タイム序盤に117.23円へ下値を拡大したドル円でしたが、こうしてその後は117円後半へと値を戻し、そして本日東京タイムに入って118円台を回復してきています。

“過熱感”が和らぐ中、“117円前半”で支えられて“ジワリジワリと反発”した動きは、“さらなる上値追いへの期待”も膨らもうというものです。

◆ただ本日の流動性回帰は期待薄…?

昨日の材料の一つとなった「OPEC減産見送り」は、“さらなる原油安”への期待を高める要因といえます。
原油とドルは“基本的に逆相関”を示しやすく、ドル堅調への思惑が下値を支えると考えるのが自然です。
また原油安は、黒田バズーカ2実施の際に“インフレ期待を阻害する要因”と名指しされた事項であり、さらなる緩和期待が円売りへの思惑となる可能性まで想定されるところです。

「米株式/債券/商品が本日も短縮取引」であることを考えると、本格的な流動性回帰は期待薄です。
このため本日に関しては“10銭刻み”で“段階的”に展開するとされる“118円台のドル売りオーダー”を一気にこなすといった展開は、描きづらいところです。
このため“その突破の有無”を“一つ一つ確認しながら”という“もどかしい動き”が基本路線と見ますが、上値ブレイクの期待は膨らむばかりです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:118.557(11/25高値)
上値4:118.304(11/25~11/27の61.8%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:118.099(11/25~11/27の50%戻し)
上値2:117.998(11/26高値、ピボット1stレジスタンス、大台)
上値1:117.895(11/25~11/27の38.2%戻し、11/27高値)
前営業日終値:117.721
下値1:117.655(日足・一目均衡表転換線)
下値2:117.344(ピボット1stサポート)
下値3:117.204(11/17~11/20の50%押し、11/27安値)
下値4:117.015(11/10~11/20の38.2%押し、大台、ピボット2ndサポート)
下値5:116.817(11/19安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:56 ドル円 抵抗・支持ライン追加
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武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想