ドル円はまだ長期上昇相場の成長期

著者:川島寛貴
投稿:2014/09/19 11:26

買えない相場は強い

さて、今回の上昇相場で何度も書いてきていますが、実に買えていない人が多いことが分かります。そして、FOMC後の上昇により更なるドル需要が増えることが分かってきました。
それは、「リバースノックアウト」が付き始めたことです。例えば103円で為替予約をしていた輸入企業は、あまりに通貨の変動があったために、オプションの権利消滅条件に引っかかり、103円でのドル買いの権利が消滅。その為、もう一度ドルの手当てをしなければならなくなる、つまりはドルを買わないといけなくなるということです。
ドル円を買えていない人は、未だ来ない押し目を待ち、買えていた人も変動幅がありすぎる為に、ポジションが消滅してしまうという見方によっては悪相場です。

しかし、リーマンショック後の円高相場もそうであったように、相場は「これ以上進むと大変だ」という方向へ進み続けるものです。
世界的金融危機後はドル円は100円を割れてから、75円まで25円の円高が進行しました。今回は、アベノミクスによるマネタリーベースの増加と共に日本の貿易赤字、米国の利上げ、そして2017年には米国の貿易赤字が黒字転換するというまさにドル円は上昇するしかない条件が整っています。この相場が120円、140円という息の長い相場になるという意見もありますし、何より為替は金利に非常に素直に動くという傾向があります。目先の上下動はありますが、以前より105円を越えると日本が苦しくなるといわれており、今まさにその状況に突入しつつあります。為替取引を行う人は、そういったことを踏まえながら、目先の値幅を取ること+α長めの目線を持っておき、長期トレンドにゆったりと乗ってみてはいかがでしょうか。

目先の値動きは109円を軽々と突破し、一旦109円手前まで押し戻されて再度上昇を伺う展開。このまましっかりと上昇していき、遅くとも週明けの東京市場が開くころには110円に到達しているのではないでしょうか。

16:40|誤字の訂正、画像の追加
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想