ポジション調整がメインと見られるが、意外な反発も…!?

著者:武市佳史
投稿:2014/08/29 10:54

地政学的リスクを背景に軟調気味…

※ご注意:予想期間は8月30日と表示されていますが、本日(8月29日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

全般的に軟調推移が優勢となる中、欧州タイムには103.56円まで下値を拡大する場面が見られました。
ウクライナ情勢を背景にリスク回避ムードが高まったからですが、しかしそこからの下値は堅く、重要な節目と見られる8/22安値(103.497円)を下回ることはありませんでした。

一方でNYタイム序盤には、一気に103.85円へと買い戻される場面も見られました。
米GDP改定値が上方修正され、米新規失業保険申請件数は2週連続で30万件を下回るなど、米経済指標が好内容となったからです。
ただし地政学的リスクが燻る中で上値追いに転じることはなく、再び2.32%台へと低下した米10年債利回りに引っ張られる形で緩やかに103.74円へと水準を下げて、昨日の取引を終えています。

しかし現時点で下値追いには至っておらず

こうして迎えた本日のポイントは、「地政学的リスク」「スケジュール感」、そして欧米で予定される「物価関連の経済指標」と見られるところです。

ウクライナ情勢という「地政学的リスク」は利益確定のドル売りにつながりなりやすく、週末・月末ならびに米3連休前という「スケジュール感」がポジション調整のドル売りを促しています。

一方で現時点では下値追いの動きには至っておらず、依然として底堅さは堅持しています。
昨日に引き下げられた“104.00-10円”のドル売りオーダーがさらに引き下げられた気配も見られない中、103.50円にかけて展開するドル買いオーダーは積み増された感があり、下値を窺うのは容易ではないと見られます。

米経済指標の結果次第では、意外な反発も…!?

そうした中で本日は、欧消費者物価指数(前年比+0.3%予想)と米個人消費支出(PCEコアデフレーター、+0.1%予想)が予定されています。
特に後者はFRBがインフレ指標として重視しており、その結果に注目が集まるところです。
当然、結果次第ではありますが、発表時に動意づくことは十分に考えられるところです。
直近も米経済指標は好調ですので、「地政学的リスクが増大しなければ…」との期待は膨らみます。

米3連休前という「スケジュール感」はポジション調整が促されやすく、動意の乏しい展開も想定される局面といえますが、意外に値位置を戻す(反発)動きも…?

ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:104.276(8/25高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:104.171(8/26-27高値)
上値3:104.094(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:104.000(大台)
上値1:103.917(8/28高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:103.742
下値1:103.564(8/28安値、ピボット1stサポート)
下値2:103.497(8/22安値、8/15~8/25の38.2%押し)
下値3:103.361(FOMC議事録時の窓下辺、ピボット2ndサポート)
下値4:103.262(日足・一目均衡表転換線)
下値5:103.209(8/15~8/25の50%押し、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:16 ドル円 抵抗・支持ライン追加
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武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想