ここからの下値追いには“かなりの力業が必要”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/08/14 10:22

◆一時108円後半へ売り込まれるも、巻き戻される

※ご注意:予想期間は8月15日と表示されていますが、本日(8月14日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


流動性が低下する中、想定以上に“北朝鮮情勢(リスク回避)”は囃されました。
卸売物価指数に続き、消費者物価指数が悪化したことも、「物価の伸び悩みは一時的」とするイエレン議会証言は“誤り”との思惑につながった感があります。
10日に109円前半へと下落したドル円は、東京市場休場となる11日に108円後半へとさらに売り込まれました。

一方で、NYタイムに入ると“ドル売りは失速”しています。
“週末のポジション調整”的な意味合いもありますが、「緊張緩和に向けて、中国と共同計画を策定」とのラブロフ露外相発言がキッカケになったと見られます。
流動性低下時の急落ということもあり、109円台に巻き戻されて先週末の取引を終えています。

◆“先行き不透明感”は拭えないが…?

「北朝鮮絡みのリスク回避は短命」との見方を覆す急落だったといえますが、最終的には持ち直しています。
“先行き不透明感”は拭えないものの、流動性低下にて“悲観論の過剰反応”を見せている可能性は低くはありません。
そうなると国内勢はお休み中ではあるものの、“108.80円水準”に観測されている“分厚いドル買いオーダー”はかなりの抵抗になると考えられます。

特にドルを買う材料は見当たらないものの、ここからさらにドルを売るには“かなりの力業が必要”…?
“109.50円水準に展開するまとまった規模のドル売りオーダー”は少し気になりますが、“利益確定のドル買い戻し優勢”を想定したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.048(7/26~8/11の38.2%戻し、大台)
上値4:109.888(8/4~8/11の50%戻し)
上値3:109.767(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:109.614(8/4~8/11の38.2%戻し)
上値1:109.403(8/11高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:109.147
下値1:109.000(大台)
下値2:108.920(8/11安値後の押し目)
下値3:108.719(4/20安値、8/11安値、週足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット1stサポート)
下値4:108.419(ピボット2ndサポート)
下値5:108.317(4/18-19安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:36 ドル円 抵抗・支持ライン追加
13:25 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想