GDPだけでなく雇用コスト指数にも注目=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2017/07/28 16:52

GDPだけでなく雇用コスト指数にも注目

【基調】
 底入れ期待

【目先の注目材料】
・主要国株価、国際商品価格、米長期金利
・7/28 米4-6月期GDP・速報値、米4-6月期雇用コスト指数


【本文】
本日のNY市場では、米4-6月期国内総生産(GDP)・速報値が発表される。市場予想によると中央値で前期比年率+2.7%と高めの伸びが見込まれており、1-3月期の同+1.4%から成長が加速する見通しだ。トランプ米政権が3%の経済成長を目標として掲げる中、結果に注目が集まっている。

ただ、インフレ見通しや追加利上げ見通しに影響が大きいのは、同時刻に発表される米4-6月期雇用コスト指数のほうかもしれない。文字通り雇用にかかわるコストにつき、同指数の上昇は賃金アップを意味する。ひいてはインフレ期待を左右するため、長期金利の変動にも繋がりやすいと考えられる。なお、市場予想は前期比+0.6%であり、2007年10-12月期以来の高い伸びとなった1-3月期(同+0.8%)からはやや減速する見込みとなっている。

足元のドル/円相場は上値の重い展開が続いているが、110円台に差し込むと悉く反発するなど下値の堅さも目立つ。そうした中、本日の米4-6月期GDPと雇用コスト指数が「底入れ」のシグナルとなるか、あるいは「底抜け」のきっかけとなるか注目される。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想