再び“ドル売り優勢”も、“トレンド転換の分水嶺”も引き下がった…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/07/27 11:56

◆FOMC声明の後、ドル円急反落

※ご注意:予想期間は7月28日と表示されていますが、本日(7月27日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目のFOMC声明の後、ドル円は急反落に転じました。

「インフレ動向」は“幾分2%を下回る⇒2%を下回る”へ修正されており、“慎重スタンスを強めた”格好となります。
一方で「バランスシート縮小時期」は“年内⇒比較的早期”に修正されており、暗に“9月開始を示唆”した格好といえそうです。
相対的に“強弱入り混じる”内容といえそうですが、ただマーケットはこれを“ハト派”捉えました。
期待感から事前に112円台に反発していたこともあり、発表直後からドル円には売り圧力がかかり、本日東京タイムにかけて111円割れへと押し下げられています。

◆もう一段の下値を試す可能性はあるが…?

“早期”の前に“比較的”が付き、“先送りされる可能性は残る”とされたことを考えると、現時点では“金利選好のドル買いは望み薄”と考えるのが自然です。
112円まで事前に買い戻されていたことを考えると、もう一段の下値を試す可能性も目先は拭えないところです。

テクニカル的には、再び“日足・一目均衡表先行スパンの雲”に押し戻された格好であり、“下限(本日は110.367円)”はさらに切り下がっています。
「切り下がった分、下値余地は拡がった」と見ることは可能といえますが、一方で「トレンド転換の分水嶺も引き下がった」と考えることは可能です。
そうなると“下方修正+示唆されず”にならなかったことの意義は大きく、“ドル売りは限定的”と見ることは十分可能と考えます。

米4-6月期GDP(28日)に向けて“もう一段の下値窺い”となる可能性は鑑みつつも、引き続き“下値は浅い”と見て臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.040(200日移動平均線、大台)
上値4:111.863(ピボット1stレジスタンス)
上値3:111.740(日足・一目均衡表転換線)
上値2:111.590(100/50日移動平均線)
上値1:111.249(日足・一目均衡表先行スパン上限、200週移動平均線)
前営業日終値:111.143
下値1:111.000(大台、7/26安値)
下値2:110.829(7/25安値)
下値3:110.742(ピボット1stサポート)
下値4:110.618(7/24安値)
下値5:110.367(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:08 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想