“下方修正+示唆されず”でもない限り、ドル売りは限定的…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/07/26 11:30

◆ドル売り一服 - 112円回復

※ご注意:予想期間は7月27日と表示されていますが、本日(7月26日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


欧州タイム序盤にかけて“日足・一目均衡表先行スパンの雲”を再び割り込みにかかる(昨日の下限は110.780円)動きも見られたものの、「巻き戻しの急所」としての機能はしっかりと維持されました。
そうなると米10年債利回りの上昇に従って“ドル売りは一服”、株式は反発/原油も上昇を背景に“リスク選好の円売り”も促されました。
“上限(昨日は111.249円)”を突破すると上昇圧力は加速し、本日東京タイム序盤には112円ラインに到達しています。

◆ポイントは“インフレ見通し”と“バランスシート縮小時期の示唆” - FOMC

こうした中、本日はFOMC(27:00、日本時間27日3:00)が行われます。
“現状維持はほぼ確実”と見られ、“イエレン議長の記者会見”も予定されておりません。
このため「注目度はそれほど高くない」ともいえそうですが、その分だけマーケットの関心は“声明内容”に偏ると見られます。
つまり内容次第では、大きく動意づく可能性が否定できないということになります。
ポイントになると見られるのは、“インフレ見通し”“バランスシート縮小時期の示唆”の2つです。

◆少なくとも“バランスシート縮小の早期実施観測”は崩れない…?

前回声明で「インフレ圧力鈍化は一時的」との見方が示された前者に関しては、維持されれば“金融政策正常化の道筋に変化なし⇒ドル買い”、逆に下方修正されれば“年内利上げ観測後退⇒ドル売り”は免れないと見られます。
一方で後者に関しては、示唆されれば“金融政策正常化の道筋に変化なし⇒ドル買い”、示唆されなければ“期待感が後退⇒ドル売り”が想定されます。

あとは結果次第の面が強く、見方も分かれますが、個人的には“年内利上げ”はともかく、“バランスシート縮小の早期実施観測”は少なくとも崩れることはないと見ています。
つまり“下方修正+示唆されず”の組み合わせでもない限り、“ドル売りは限定的”と見ることは可能性ということになります。

イベント前でやりにくいところはありますが、「戻り売りではなく、押し目買い」と見て臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:普段より値幅を拡大しています。

113.013(7/11~7/24の61.8%戻し、大台)
112.862(7/17高値)
上値5:112.677(7/18高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:112.555(7/11~7/24の50%戻し)
上値3:112.414(7/20高値)
上値2:112.308(ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.074(7/21高値、7/11~7/24の38.2%戻し、200日移動平均線、日足・一目均衡表転換線、大台)
前営業日終値:111.921
下値1:111.638(100/50日移動平均線)
下値2:111.444(7/24~7/25の38.2%押し)
下値3:111.249(日足・一目均衡表先行スパン上限、200週移動平均線、7/24~7/25の50%押し、ピボット1stサポート)
下値4:111.129(7/24~7/25の61.8%押し)
下値5:111.000(大台)
110.829(7/25安値)
110.618(7/24安値、日足・一目均衡表先行スパン下限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:45 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想