ユーロの利益確定売りが、ドル買いを促す…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/07/21 10:50

◆上下に振られるも、“膠着変わらず…

※ご注意:予想期間は7月22日と表示されていますが、本日(7月21日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


日銀金融政策決定会合は「物価見通しを下方修正」「達成時期も先送り」とされ、想定通り、“金利選好⇒円売り”が優勢となりました。
ドル円は一時112.414円まで上値を伸ばしています。

一方のECB理事会では、「政策変更の議論を今秋開始」とされました。
“知ったら終い(しまい)”が期待されましたが、“出口戦略に向かう姿勢”が再表示された格好となり、結果的にユーロ買いはさらに強まりました。
ユーロドルが一気に1.16ドル半ばへと駆け上がる中、ドル円は再び111円半ばへと押し戻されていきました。
もっとも111円半ばにおけるドル買い圧力は根強く、前日安値を割り込む場面(111.480円)こそ見られたものの、大きく崩れることはありませんでした。

◆“200日移動平均線への収斂圧力”が意識されている?

こうして“メインイベント(日欧金融政策)”を経て、本日は“イベント不在の週末”を迎えます。
“200日移動平均線(本日は111.896円)”を割り込むと“すぐさま支えられ(ドル買い)”、一方で上放れると“すぐに叩かれて(ドル売り)”いるなど、“同線への収斂圧力”が強く意識されていることが窺えます。
本日はイベント不在となりますので、そうなると“昨日同様の動き”と考えるのが自然ということになりそうです。

◆ただしユーロには“かなりの過熱感”が纏っている…!?

ただし本日は週末であり、ポジション調整が加速する展開を想定せずにはおれません。
そして「タカ派に寄ったわけではない」にもかかわらず「さらに駆け上がった」昨日の動きを考えると、ユーロには“かなりの過熱感”が纏っていると考えるのが自然です。
“知ったら終い(しまい)”が期待されていたことを考えると“なおさら”であり、“利益確定のユーロ売り⇒ドル買いを促す”といった展開を想定することは、十分可能と考えます。

燻り続けるロシア問題もあり、“足場は脆そう”にも見えるドル円ですが、“戻り売りではなく、押し目買い”で臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.862(7/17高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:112.677(7/18高値、7/11~7/20の38.2%戻し)
上値3:112.414(7/20高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:112.194(7/20高値後の76.4%戻し)
上値1:112.057(7/20高値後の61.8%戻し、大台)
前営業日終値:111.866
下値1:111.719(100/50日移動平均線)
下値2:111.465(6/27安値、7/20安値、ピボット1stサポート)
下値3:111.249(日足・一目均衡表先行スパン上限)
下値4:111.188(6/26-26安値、200週移動平均線)
下値5:110.950(6/22安値、6/14~7/11の61.8%押し、大台、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:05 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想