なにやら“荒れそうな”雰囲気…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/07/20 11:08

◆下攻め見られるも、動意に乏しく…

※ご注意:予想期間は7月21日と表示されていますが、本日(7月20日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


日銀金融政策決定会合&ECB理事会を控えて、昨日は“動意の乏しい”動きを続けました。
米10年債利回り再低下をキッカケにした“仕掛け的な動き”でNYタイム序盤には“50/100/200日移動平均線(111.80-76円水準)”“6/14~7/11の50%押し(111.64円)”を一時割り込みましたが、下値ではドル買いがしっかりと入っていた模様です。
111円後半へと押し戻されて、昨日の取引を終えています。

◆本日は日銀金融政策決定会合&ECB理事会 - なにやら“荒れそうな”雰囲気…!?

こうした中、本日は日銀金融政策決定会合&ECB理事会が行われます。
共に「現状維持」が見込まれていますので、前者は「物価見通しの下方修正」「2%物価目標の達成時期先送り」、後者は「出口戦略に向かう姿勢」がポイントになると見られます。

「2017年度物価見通しは“実現不可能”」「2018年度も“かなり厳しい”」と見られるだけに、前者の“下方修正される可能性”は十分と見ることが可能です。
“達成時期の先送り”共々、示唆されれば“金利選好⇒円売り”といった動きが期待されるところです。

一方で後者の「出口戦略に向かう姿勢」に関しては、すでに“前のめり気味に織り込まれた”印象があります。
このため「知ったら終い(しまい)」が期待されるところですが、“米年内利上げ観測後退⇒ドル売り”が継続していることを考えると“ユーロ売りが限定される可能性”を考えずにはおれません。
となると“円独歩安も期待薄”ということになりますが、思わくはそれ以上に割れています。
なにやら“荒れそうな”雰囲気が漂いつつあるといえそうです。

◆ガッチリと固められているが、抜ける可能性は十分…!?

オーダー状況を見ると、昨日の下値を支えた“111.65-50円のドル買いオーダー”はさらに厚みを増しており、一方で上値を押さえるドル売りオーダーは“112.20-00円に引き下げられた”印象があります。
発表まで“111円後半での膠着”が基本ということになりますが、“いずれに抜ける可能性は十分”…。
あとは結果次第ということになりますが、日銀⇒ECBの順序を考えると“買い戻し(円売り)優勢”を期待しつつ、マーケットに臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:普段より値幅を拡大しています。

113.571(7/13-14高値)
113.371(7/11~7/19の61.8%戻し)
113.024(7/11~7/19の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、大台)
上値5:112.862(7/17高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:112.677(7/18高値、7/11~7/19の38.2%戻し)
上値3:112.562(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:112.231(7/19高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.000(大台)
前営業日終値:111.875
下値1:111.741(100/50日移動平均線)
下値2:111.556(7/19安値、ピボット1stサポート)
下値3:111.465(6/27安値)
下値4:111.188(6/26-26安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、200週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値5:110.950(6/22安値、6/14~7/11の61.8%押し、大台)
110.782(6/19安値、日足・一目均衡表先行スパン下限)
110.646(6/16安値、ピボットローブレイクアウト)
110.188(週足・一目均衡表先行スパン下限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:28 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想