“方向感定まらず”だが、イメージは“上値が重い”に傾斜中…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/06/26 10:27

◆“方向感の定まらない”に終始

※ご注意:予想期間は6月27日と表示されていますが、本日(6月26日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


先週末も“狭いレンジ内での揉みあい”を続け、動意づくことはありませんでした。
米欧景況感格差を勘案したユーロ買いが幅広い通貨に対してドル売りをもたらす場面も見られましたが、大きな動きにはつながりませんでした。
ドル円は111円前半を中心に、方向感の定まらない揺れ動きを続けました。

◆本日も“上値は重いが、下値も堅い”…?

本日も材料に乏しく、111円前半での揺れ動きと見るのが自然です。
見方が割れた米金融政策の方向性を探るには“米経済指標を一つ一つ確認”という作業が必要となってくるだけに、“当たり前といえば当たり前”の動きといえます。
“上値は重いが、下値も堅い”を地で往く現在の動きは、キッカケさえ失っているように感じます。

◆ただ“下値が堅いより、上値が重い”が勝るイメージに違和感…!?

ただ一向に上がらない“米10年国債利回り”は、ドル売り要因ではあるものの、金融株を除く株式にとっては朗報となります。
このため“ドル売り一辺倒にはなりにくい”と考えられます。
“原油低迷”にしても、その背景に“世界的な景気減速”や“地政学的リスク”の影が感じられず、“リスク回避姿勢にはつながりにくい”と考えることが可能です。
それでいてイメージ的には、“下値が堅い”より“上値が重い”が勝っている印象があります。

テクニカル的には“200日移動平均線(同110.872円)”と“100日移動平均線(本日は111.793円)”に挟まれた状況は続きますが、前者が“ジリジリと切り上げ”となる中、後者は“横ばい”へ転じてきています。
後者には“日足・一目均衡表先行スパン上下限(同111.774-812円)”も凝縮していますので“抜けるのは骨が折れる”と見られるものの、“抜けると軽い”可能性も否めません。
それでいて前記したようにイメージは“上値が重い”が勝っており、その分だけ巻き戻しが入る可能は十分”…?
もうしばらく“レンジ内での揺れ動きは続く”とは考えますが、引き続き“戻り売りではなく、押し目買い”と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.000(大台、5/25高値)
上値4:111.838(5/26高値、6/20高値、日足・一目均衡表先行スパン上限/下限、100日移動平均線)
上値3:111.726(6/21高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値2:111.604(20週移動平均線、6/20~6/22の76.4%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:111.447(6/22-23高値、6/20~6/22の61.8%戻し水準、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:111.291
下値1:111.156(6/23安値、ピボット1stサポート)
下値2:111.000(大台、6/22安値、200週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値3:110.872(200日移動平均線、ピボットローブレイクアウト)
下値4:110.782(6/19安値)
下値5:110.646(6/16安値、6/14~6/20の38.2%押し、20日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:41 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想