“もう一段の上値期待”も十分、ただ“にわか上値期待”の増加が…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/06/16 11:35

◆“さらなる下値追い”ではなく、やはり“買い戻し優勢”

※ご注意:予想期間は6月17日と表示されていますが、本日(6月16日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“上値の重さ”ばかりが囃された昨日でしたが、やはり“さらなる下値追い”ではなく“買い戻し”が上回りました。
キッカケは“利上げ票が増加したBOE理事会⇒ポンド円上昇⇒引っ張られてドル円も上昇”でしたが、その後は“前日のFRB判断(米金融政策正常化を“粛々と進める”)に対する蒸し返し”でした。
欧州タイムに110円台に到達すると、NYタイムは110円後半へと駆け上がり、そして本日東京タイムに111円へと乗せてきました。

◆テクニカル的には、“もう一段の上値期待”も十分…!

“200日移動平均線(本日は110.601円)&20日移動平均線(同110.687円)”を突破、“50日移動平均線(同111.020円)”に到達した現状を考えると、テクニカル的には「“日足・一目均衡表先行スパン下限(同111.812円)&100日移動平均線(同111.882円)”まで上値余地は広がった」と見ることが可能です。
弱いFOMC前の米経済指標で“突っ込みすぎた”印象もある中、“積極的なFRB判断”はファンダメンタルズ的にも買い戻しを誘いやすくなったと考えられます。

◆ただ“にわか上値期待”の増加が…!?

こうした中、本日は“日銀金融政策決定会合”も予定されています。
これまで無風通過が常だった同会合も、先週のブルームバーグ報道(異次元緩和の出口議論は“時期尚早”から“丁寧な説明”へ)でにわかに注目が集まっています。
仮に前記報道を肯定するようなことがあれば“サプライズ的な円買い”となってもおかしくないだけに、目が離せません。

個人的には「出口議論は時期尚早」と考えていますので、“急落の可能性は低い”と見ています。
ただ“週末のポジション調整(利益確定売り)”を考えねばならない中、“トランプ疑惑”は払拭されず、一方で“にわか上値期待”は増加しつつあります。
“目先レンジを上に抜けた”格好ですので“もう一段の上値追い”は十分に期待されるところですが、本日に関しては“慎重姿勢を崩さない”ようにしたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.838(5/26高値、日足・一目均衡表先行スパン下限、100日移動平均線、20週移動平均線)
上値4:111.705(6/2高値)
上値3:111.577(5/11~6/14の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:111.369(日足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表先行スパン上限)
上値1:111.249(週足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:110.928
下値1:110.837(200週移動平均線)
下値2:110.602(200/20日移動平均線)
下値3:110.482(6/14安値後の38.2%押し)
下値4:110.251(6/14安値後の50%押し、週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値5:110.020(6/14安値後の61.8%押し、日足・一目均衡表転換線、大台)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:51 ドル円 抵抗・支持ライン追加
12:18 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想