“下値余地広がった?”との印象あるが、下値を窺うには“力不足”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/05/25 11:25

◆112円ラインは抜け切れず… - ドル円反落

※ご注意:予想期間は5月26日と表示されていますが、本日(5月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


何度か112円台に“到達”したものの、“日足・一目均衡表転換線(昨日は112.091円)”に押さえられるなど、“抜け切る”には至りませんでした。
手間取ったことで“一目の雲を明確に抜け切れない”との思惑が先行したのは事実であり、次第に上値が重くなっていきました。

また“概ね変わらなかった”ものの、注目のFOMC議事録に「景気減速が一過性である証拠を待つのが賢明」との文言が見られたことも、ドル押し下げにつながったと見られます。
NYダウは上昇で反応したものの、米10年債利回りの低下となり、これにつれてドル円も111円半ばへと押し戻されていきました。

◆“反落余地”を囃す声は少なくないが…?

押さえ込まれたことで“反落余地”を囃す声が少なくありませんが、イベント不在のスケジュール感の中では“堅調推移”といってもよさそうに思います。
オーダー状況を見ると、“111.40-20円/111.15-00円”にビッシリとドル買いオーダーが展開している反面、ドル売りオーダーは“111.80-112.00円”から下がった素振りが見えません。
“新たな材料待ち”の印象は否めませんが、さらに下方向を窺うには“力不足”と考えるのが自然です。

◆ただ“日足・先行スパンの雲内で揺れ動き”が基本、下値を窺うには“力不足”…!?

あくまでも現在はまだ“日足・先行スパンの雲内(レンジ内)での揺れ動き”が基本ということになりそうですが、下限はかなり下(本日は110.345円)に追いやられています。
“下値余地が広がった?”といえなくもありませんが、材料不足の現状では“下方向の抵抗がそれだけ厚い”と考えるのが自然と考えます。
やはり“戻り売りではなく、押し目買い”で臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.424(20日移動平均線、20週移動平均線)
上値4:112.299(5/11~5/18の50%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:112.113(5/24高値)
上値2:112.000(大台、日足・一目均衡表転換線)
上値1:111.863(5/24高値後の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:111.505
下値1:111.394(5/18~5/24の38.2%押し)
下値2:111.276(50日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:111.173(5/18~5/24の50%押し、週足・一目均衡表先行スパン上限
下値4:111.000(大台、5/18~5/24の61.8%押し、ピボット2ndサポート)
下値5:110.859(5/23安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:47 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想