“保ち合い上抜け” - 次は“112円ラインの攻防戦”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/05/24 11:35

◆リスク回避の決め手欠き、保ち合いから上抜け…

※ご注意:予想期間は5月25日と表示されていますが、本日(5月24日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“リスク回避に寄っている”ように見えて、やはり“決め手に欠き”ました。

米予算教書は“概ね想定通り”に落ち着き、外遊中のため“トランプリスクが再燃”することもありませんでした。
米10年債利回り&NYダウの上昇を背景に買い戻しが入ったドル円は、NYタイム終盤に111.85円水準へと上昇、本日東京タイムにかけてさらに112円手前へと上値を伸ばしています。

◆現状では“あくまでショートカバーの範疇”…?

“保ち合いから上抜け”した格好となるだけに、“もう一段の上値追い”は十分に期待される局面といえます。
一方でファンダメンタルズ的には“何一つ改善したわけではない”ことを考えると、現状では“あくまでショートカバーの範疇”と考えるのが自然です。

◆“112円ラインの攻防戦”が分水嶺…!

テクニカルを見ると“日足・一目均衡表先行スパン上限(本日は111.812円)”を上回る場面が見られるものの、“112円ライン”に行く手を阻まれています。
17日の急落で「112円台は事実上の真空地帯」となっているだけに、突破できれば“買い戻しが加速しやすい”、ただし押さえ込まれると“一目の雲を明確に抜け切れない”を印象付ける“分水嶺”ということになります。

“100日移動平均線(同112.583円)”“5/11~5/18の61.8%戻し(112.787円)”まで十分に期待可能な局面といえますが、目先は“112円の大台ラインの攻防戦”を見守りたいところです。
ポイントを握るのは、やはり“米利上げ観測&バランスシート縮小の思惑(FOMC議事録)”か…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.787(5/11~5/18の61.8%戻し)
上値4:112.583(100日移動平均線)
上値3:112.420(20日移動平均線、20週移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:112.299(5/11~5/18の50%戻し)
上値1:112.091(日足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス、大台)
前営業日終値:111.771
下値1:111.423(5/23安値後の50%押し)
下値2:111.316(50日移動平均線、日足・一目均衡表基準線、5/23安値後の61.8%押し)
下値3:111.199(週足・一目均衡表先行スパン上限、5/18~5/23の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値4:111.040(5/18~5/23の50%押し、大台)
下値5:110.859(5/23安値、5/18~5/23の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:57 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想