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緊急避難:ポジションの過半を処分

引け際、とどめの一発の下げ

急変です。昨日の東京時間のザラ場から、妙に米国株グローベックスが弱かったのですが、ダウ工業株で100ドル超でしたから、そのくらいはときには急反落ということもあります。

が、フタを開けてみると、思った以上に弱い相場展開でした。とくに、引け際に激しく急落している局面があるので、いささかありがちな急反落より深刻かもしれません。

米主要株価指数の下げ

2%級の下げはダウ輸送株、ナスダック、ラッセル2000小型株指数、SOX半導体指数の4つです。とくに、半導体指数は4.37%の下げ、ダウ輸送株は3.08%の下げですから、尋常ではありません。

ナスダックはわずかですが、25日線割れ。その他はすべて、25日線も50日線も完全に割り込みました。

下げっぷりがあまりに急なので、一発ないしは数日で終わる可能性もありますが、いずれにしろ、テクニカルには腰折れてしまったことは間違いありません。

資金需給を示す米10年国債利回りも25日・50日線を一気に割り込んでいます。資金が国債に逃避しているのです。

リスク指標のジャンクボンドは、まだ25日線の上に位置していますが、急落です。逆に金先物は、25日線突破。明らかに、リスクオフの状態です。

とくに重要な先行指標のダウ輸送株は、これまで唯一25日線を割っていたわけですが、この下げは他と違い、3月28日以来のもみ合いレンジから、完全に下放れてしまいました。
200日線まであと少しのところまで一気に下げています。

ダウ工業株、S&P500は、昨年9月9日以来最大の下げ幅。ナスダックは、昨年6月24日以来の最大の下げ幅でした。

東京も値崩れ

日経CME先物円建ては、19455円。日経先物夜間取り引きは、19480円。昨日大引けの現物指数は19814円ですから350円前後下の水準を目安に本日は始まるということになりそうです。

少なくとも、昨日、「万が一の場合」という不測の事態として、ダウ輸送株・日経平均で指摘した水準は、いとも簡単に割り込み。輸送株は、3月以来のすべての抵抗水準を一気に割りこんでしまっていますし、日経平均も高原持ち合いを完全に打ち消した格好になるはずですから、これは戦略方針を大きく変える必要があります。

ロシアゲート

結局、不穏な悪材料となっていたトランプ大統領によるロシアとの癒着や秘密漏洩に関して、大統領による司法妨害の疑惑が深まったということのようです。

直接的にはトランプ大統領が、FBIのコミー前長官に対して、辞任したフリン前大統領補佐官の捜査を中止するよう要請していたという報道です。コミー前長官はこのときのメモを残していたということで、話は厄介になりそうです。

これでトランプ政権が崩壊するかどうかということまでは市場は読み込んではいないでしょうが、確実に景気対策や規制緩和など、政策がことごとく一段と遅れるという事を嫌気したということなのでしょう。

戦略方針

緊急避難です。
先行指標の輸送株、需給指標の米10年利回り、本尊の日経平均と、それぞれ重要な水準を割ってきているわけですから、戦略方針は急遽、「フルインベストメント」から、「緊急避難。ポジションの過半を処分。日経ダブルインバースETFで資産の20%をヘッジ。」に変更です。つまり、現物株半分、キャッシュ3割、ダブルインバース2割という配分です。

まず、これをやっておきましょう。
一過性かどうか、まだわからないわけですから、このへんで良いと思います。ただ、ブレグジットや大統領選挙と違い、単なる一日のフラッシュクラッシュかどうかというと、それより話は、「グレーゾーン」で終始する可能性も高く、むしろ長引いてしまう危険性があります。

また、株価の位置も高いために、短時日で終息するものかどうか、いささか疑問です。

ちょうど、ファンドにとっては中間期末を控えたところでこういう事態になっていますから、いったん益出しに米系資金が動き出してしまったとしたら、相場は昨年大統領選挙以来の益出しにつながる危険性もあり、かねてかた述べていたように、一番警戒されていた相場展開になってしまいます。

個別銘柄の処分は、含み益・損の基準よりも、トレンドラインから落伍したかどうかのほうを優先して基準とし、処分しましょう。

まずは、ネックライン(本日を含まない過去5日間の終値ベースの安値)を割ったか、5日線を割ったか、あるいは25日線を割ったか、この三点に抵触するものから、優先的に処分しましょう。

それでも、資産全体の20%の日経ダブルインバースETF<1357>買い資金に不足でしたら、含み損の銘柄を処分しましょう。

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松川行雄 (まつかわゆきお)

有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長