“動きづらい”が基本も、攻めるのは“上方向”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/05/01 11:16

◆“上値拡大”も、“上値の重さ”を引きずって終了 - 先週末

※ご注意:予想期間は5月2日と表示されていますが、本日(5月1日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目の“米1-3月期GDP速報値”は、約1年ぶりの低水準(年率+0.7%)に留まりました。
しかしながら想定の範囲内であったこともあり、ドル売りの反応は限定されました。
一方で同時発表の物価&雇用動向はすこぶるよろしく、マーケットはこちらに反応した感があります。
米10年国債利回りが2.33%へと上昇するにつれて、ドル円は111.727円へと上値を拡大しました。

もっとも直近高値(26日高値:111.776円)を越え切るには至っておらず、その後は“利益確定売り”に押される場面も見られました。
一時111.213円へ押し戻される等、“上値の重さ”を引きずりながら、先週末の取引を終えています。
なお“米2017年度暫定予算”は「つなぎ予算が可決(~5/5日)」されたこともあり、一部政府機関閉鎖に対する懸念は“とりあえず一服”した格好にな

ります(またすぐに期限がやってきますが…)。

◆流動性が低下する中、“神経質かつ不安定”な展開…?

こうした中、週明けの本日は“神経質かつ不安定”な展開が想定されるところです。

週末の「北朝鮮・弾道ミサイル発射(失敗)」は不穏な雰囲気を醸しており、“上値の重さ”がより意識されると見られます。
一方で本日は流動性が大きく低下(日本はGW中、英国・欧州・香港・シンガポール等は休場)すると見られる中、現時点で“リスク回避姿勢”は限定さ

れています。
このため“動きづらい”反面、些細な要因で“上下に振れる”展開が想定されるからです。

◆“思惑は下方向”へと傾斜しやすい、ただし“リスク回避姿勢”にはそれほど寄っていない…!?

オーダー状況を見ると、“111.20-00円にドル買いオーダー”“111.70-80円にドル売りオーダー”に挟まれていますので、「この間の揺れ動くが基本」

と見るのが自然です。
しかし流動性が低下する中であることを考えると、“些細な要因で上下に振れる”可能性を考えずにはおれません。
そしてミサイル発射でも“リスク回避姿勢に寄っていない”という現状を考えると、“仕掛けるならば上方向”との見方が成り立ちます。

引き続き「上値が重い」を意識しながらになりますが、「基調はしっかり」「戻り売りではなく押し目買い」で臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.370(月足・一目均衡表基準線)
上値4:112.200(3/31高値、16/12/15~17/4/17の38.2%戻し)
上値3:112.000(大台、20月移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:111.812(3/10~4/17の50%戻し、4/26高値、週足・一目均衡表転換線)
上値1:111.721(50日移動平均線、4/28高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:111.441
下値1:111.314(週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値2:111.007(4/27-28安値、大台、ピボット1stサポート)
下値3:110.860(4/26安値)
下値4:110.670(4/21~4/26の38.2%押し、ピボット2ndサポート)
下値5:110.446(200週移動平均線、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:33 ドル円 抵抗・支持ライン追加
12:14 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想