巻き戻し優勢も、“マーケットの歪み”が懸念される!?

著者:武市佳史
投稿:2017/04/26 11:51

◆地政学的リスクは台頭せず - 巻き戻し加速

※ご注意:予想期間は4月27日と表示されていますが、本日(4月26日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


皆が下方向(リスク回避)を囃し出した際の動きは、得てしてこんなもの…。

警戒された“地政学的リスク(北朝鮮軍創建85周年記念日)”は台頭せず、積み上がっていたリスク回避志向の円買いポジションが巻き戻されました。
住宅関連の米経済指標が事前予想を上回ったことも、ドル円反発を後押ししたと見られるところです。
前日高値(4/24高値:110.356円)を超えるとポジション調整を速め、2.34%に上昇した米10年国債利回りにつれて111円前半へと巻き戻されていきました。

◆マーケットの目は再び“米国”に…?

“仏大統領選リスク”“地政学的リスク”が相次いで後退したことで、マーケットの目は再び“米国”に集まってきた印象があります。
“米税制改革案公表(26日)”“米暫定予算(~28日)”の結果次第では、巻き戻し圧力がさらに強まる展開も期待されるところです。

◆ただし“スピード超過” - “マーケットの歪み”も懸念

一方で米10年国債利回りの上昇がドル円を引っ張っているものの、総合的なドルの価値を示す“ドルインデックス”は下落しています。
つまり“ドル買いではなく円売り(正確には円買いの巻き戻し)”が現在の動きであり、リスク選好に傾斜し切れていないのが実状です。
そうした中での111円台回復は“スピード超過”の面が否めず、ちょっと“マーケットの歪み”も感じるところです。

もうしばらくは“買い戻し主体”が期待されるところであり、引き続き“基本は押し目買い”とも考えますが、本日に関しては“利益確定売りに押さえられる”といった展開を念頭に考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.000(大台、20月移動平均線)
上値4:111.812(3/10~4/17の50%戻し、50日移動平均線、週足・一目均衡表転換線)
上値3:111.684(ピボット1stレジスタンス)
上値2:111.584(4/3高値、4/10高値)
上値1:111.314(週足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:111.131
下値1:111.000(大台)
下値2:110.692(4/25安値後の38.2%押し)
下値3:110.481(4/25安値後の50%押し)
下値4:110.392(200週移動平均線)
下値5:110.308(4/21~4/25の38.2%押し、4/25安値後の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:02 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想