国内大手証券が北朝鮮問題と有事の「ドル高・円高」についてリポート

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2017/04/18 14:46
 北朝鮮を巡り北東アジア情勢は緊迫の度合いを深めており、株式市場でも地政学リスクが買い手控え要因として意識されている。米国はもし北朝鮮が核実験を行った場合、先制攻撃もあり得ると警告しているが、SMBC日興証券では17日付リポートで、トランプ政権の間は、北朝鮮は核実験はできないだろうとの見方を示している。

 同証券では、「北朝鮮の持つ外交カードは核以外にはないとみられ、北としては①核開発を放棄して、経済制裁を解いてもらうか、②核開発を行って、政権崩壊かの二者択一しかないと考えられる」としている。また、「核を放棄する条件としては、経済制裁の解除だけでは弱く、彼自身の身分保障が必要だろう。米国がそれに応じれば、意外に早く核放棄が決まるかも知れない」という見解を示す。

 ここ最近、急速にドル安円高が進んだ為替動向については、「3月末以降、ドルインデックスは上昇しており、『有事のドル高』がみられた。一方で円はそれ以上に上昇しており、『有事の円高』にもなっている」と指摘。「有事のドルは、米国の軍事力が理由とされるが、それは表面的なものだろう。本質的にはドルが準備通貨であること、より本質的には金保有によってドルの価値が担保されている。一方、円の強さは、流動性リスクとクレジットリスクの低さに起因している」と分析、北朝鮮情勢が落ち着いてくれば、市場はファンダメンタルズで動くことを予想し、その場合は米利上げの回数によって円ドルレートのフェアバリューは左右されるとの見解だ。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
配信元: みんかぶ