“下値不安を囃しがち”の局面、ただし“下値追い一辺倒ではない”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/03/27 10:46

◆まさかの“採決見送り⇒事実上の撤回”

※ご注意:予想期間は3月28日と表示されていますが、本日(3月27日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“可決”でも“否決⇒継続審議”でもなく、まさかの“採決見送り⇒事実上の撤回”となりました。
いくつか考えられた想定の外での決着となるだけに、情勢は混沌としています。
週を跨いだ本日は“下方向への窓空けスタート”を演じており、110円前半へと下値を拡大しています。

◆失望感が高まりやすく、下値不安も囃しがち…?

オバマケア見直しを強く訴えていただけに、トランプ政権への打撃は避けられないと見られます。
政策執行力への失望感が強まりやすく、求心力が低下する可能性も指摘されるところです。
“9連続陰線”は何とか避けられたものの、相変わらずテクニカルは芳しくなく、リスク回避姿勢に傾斜しやすいのも事実です。
“なんだかんだ”と理由を付けて“下値不安を囃しがち”であり、“トランプラリーの半値押し(16/11/9~16/12/15の50%押し:109.924円)”も目前に迫っています。
“もう一段の下値追い”に対する懸念は、募るばかりです。

◆ただし「景気支援策への着手早まる」との見方も存在…!?

もっとも「今後は税制改革・財政改革に注力せざるを得ない(景気支援策への着手が早まる)」との見方が存在しているのも事実であり、“採決断念”が決定されたNYタイム終盤には“一斉にドルが買い戻された”という経緯もあります。
“オーバーシュート気味の下落”には注意が必要ですが、“下値追い一辺倒というわけではない”ということも、頭の片隅には残しておきたいところです。
いずれにしても見方を外している状況ですので、“様子見継続”としたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.000(3/21~3/23の61.8%戻し、大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:111.792(3/22高値、3/21~3/23の50%戻し)
上値3:111.567(3/23高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:111.481(3/24高値、3/21~3/23の38.2%戻し水準)
上値1:111.314(週足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:111.236
下値1:110.949(3/23~3/24の61.8%押し、大台)
下値2:110.746(ピボット1stサポート)
下値3:110.620(3/23-24安値)
下値4:110.254(16/11/22安値、ピボット2ndサポート)
下値5:110.130(200週移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:04 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想