「バイアスは下方向」も、「下げ止まる可能性」は大きい…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/03/22 10:39

◆「ドル全面安」

※ご注意:予想期間は3月23日と表示されていますが、本日(3月22日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


東京タイムこそ幾分戻したものの、欧州タイム以降はドル売りが再開しました。
そして“112.30-00円水準”のオプションが“期限切れ”を迎えたNYタイム以降は、ドル全面安の様相を示しています。
欧州通貨が対ドルで上昇したこともドル売りを後押しした印象があり、ドル円は112円ラインを一気に割り込むと、本日東京タイムには“2/28安値(111.699円)/2/7安値(111.586円)”をも割り込んでいます。

◆「バイアスは下方向」と判断せざるを得ない…?

“レンジを下抜け”“年初来安値も更新”となったことで、「バイアスは下方向に向かいやすい」といわざるを得なくなりつつあります。
また主だった下値メドも、日足ベースで見ると“トランプラリーの半値押し(16/11/9~16/12/15の50%押し:109.924円)”まで見当たらず、「歯止めが利かなくなる可能性」まで懸念されるところです。

◆ただテクニカル的には「下げ止まる可能性が大きい」…!?

ただし週足ベースでは“一目均衡表先行スパン上限(111.314円)”が展開しており、下値メドとして機能する可能性を残しています。
特に同水準は“トランプラリーの初押し(11/28安値:111.351円)”とも合致しており、そうなるとオシレータ系テクニカルが示す“短期的な過熱感(売られ過ぎ)”がクローズアップされる可能性が増すことになります。

日米金融政策は“逆方向”を指し示していますので、これをテーマにした“ドル買いニーズ”も根強いものがあります。
特に111円前半は“4ヶ月ぶりのドル安水準”となるだけに、国内輸入筋はドル買いに動く可能性が高そうに感じます。

「バイアスは下方向に向かいやすい」は事実ですが、「目先、112円超への反発は十分」と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.889(3/20-21高値)
上値4:112.537(ピボット1stレジスタンス)
上値3:112.370(月足・一目均衡表基準線、3/21高値後の61.8%戻し)
上値2:112.142(3/21高値後の50%戻し)
上値1:112.000(大台、3/21高値後の38.2%戻し)
前営業日終値:111.716
下値1:111.526(3/21安値)
下値2:111.351(16/11/28安値、週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値3:111.210(ピボット1stサポート)
下値4:111.000(大台)
下値5:110.856(16/11/23安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:59 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想