下押しているが、現状は“あくまでレンジ内での推移”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/24 10:44

◆ことごとく逆回転 - ドル円一段安

※ご注意:予想期間は2月25日と表示されていますが、本日(2月24日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


ムニューチン米財務長官は前日とは打って変わる「ドル高には一定の問題」と発言し、“ドル高容認発言”にて形成されたドル買いポジションを巻き戻しました。
また「低金利は続く可能性」は、“早期利上げ観測”をさらに押し下げました。
さらに「8月までに大胆な税制改革を実施」は、“早期税制改革”の期待感後退へとつながりました。
ドル円は113円を再び割り込み、112円半ばまで売り込まれています。

◆“もう一段の下値追い”も懸念されるが…?

期待したテーマが“ことごとく逆回転”している状況では、“もう一段の下値追い”を懸念せざるを得ないところです。
“上値の重さ”も意識された後であるだけに、“もう一段下値を攻める”が先行する展開も考えておかなければなりません。
オーダー状況を見ると“112.60-50円に分厚いドル買いオーダー”が観測されている反面、背中合わせに“ストップロスのドル売りオーダー”も垣間見えているとあっては、なおさらです。

◆ただ短期筋の調整は“短命”に終わりやすく、“リスク回避”に傾斜する地合いでもない…!

ただ昨日の下落は“短期筋のドル買いポジションが巻き戻された”と見るのが自然です。
そしてこうした状況下の動きは“短命”に終わるのが常です。
またNYダウは10日連続で史上最高値を更新、前日の“共闘提案”にて仏大統領選を巡る不透明感も後退しているなど、リスク回避に傾斜する地合いにも見えません。

トランプ議会演説(28日)を控えた週末でもありますので、“買い戻し優勢”への期待も十分…。
見方を外している状況ですので“一旦様子見”としますが、現状は“あくまでもレンジ内での推移”であり、すでに“下げ過ぎ水準”に入ってきていると考えます。
“戻り売り”が意識されやすい局面ではありますが、引き続き“押したところは買い拾い”と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.774(2/21-22高値、2/15~2/23の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:113.455(2/23高値、2/15~2/23の38.2%戻し)
上値3:113.309(2/21~2/23の61.8%戻し)
上値2:113.165(2/21~2/23の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:113.021(2/21~2/23の38.2%戻し、大台)
前営業日終値:112.659
下値1:112.556(2/23安値)
下値2:112.378(2/7~2/15の76.4%押し、ピボット1stサポート)
下値3:112.038(20週移動平均線、大台、ピボット2ndサポート)
下値4:111.741(2/9安値)
下値5:111.586(2/6-8安値、100日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:11 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想