大成功の安倍・トランプ会談、米国金融株に魅力

著者:川島寛貴
投稿:2017/02/14 20:51

100点満点との評価が多数

一部で大変な要求を突き付けられるのでは?という心配もあった日米首脳会談は、大成功に終わりました。

既に多くのことが報道されているので内容は省略しますが、日本批判が全くなく、日米関係の強固さを世界に向けて発信できたことは非常に大きな成果だといえます。

投資家がどう感じたのかは、週明けの株式市場をみれば一目瞭然。日経平均株価は19,500円を捉え、ドル円も下げ止まりをみせている。いよいよ2万円を目指すという基本シナリオができあがったかにみえたところに訪れたのが、東芝(6502)ショック。本日の後場、決算延期との報道が流れると日経平均株価は失速、-220円安となってしまいました。

これがキッカケとなり、投資家が待ち望んでいたトランプ政策の目玉の一つである『減税』期待がやっと高まってきたにも関わらず、日本市場は足踏みを強いられることになりそうです。円安が一服していることで、新興銘柄を売買するチャンスでもありますが、ここで海外市場をみてみましょう。

欧州市場に目を向けてみると、この下落の影響はほとんどないようで、経済指標値が予想値より振るわなかったイギリスFTSEも上昇しています。となれば、NYダウも問題なく史上最高値の更新トレンドを維持するのではないでしょうか。減税発表まで残り10日ほどを控えていることを考えると、21000ドルへの到達が自然にみえます。

細かくを見てみると、トランプ相場が始まってから、減税と大型財政出動、金融規制のドット・フランク法の緩和期待により、一番上昇した米国株が金融セクター。NYダウの構成比率のうち金融は17%を占めています。その中でも、銀行株はドット・フランク法の緩和により資金効率が良くなり今後の収益増が見込めます。
2月3日にトランプ大統領がドッド・フランク法撤回の大統領令に署名しましたので、いよいよ規制緩和が現実味を帯びてきました。

そうなると、ゴールドマンサックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)がNYダウの中で一番上昇余力があると考えられます。チャートの強さでは、ややJPモルガン・チェース(JPM)が強いようにみえますが、現在、世界中の主要銘柄の中で一番安心して買えるのが、この2銘柄ではないでしょうか。
東芝の件がなければ、同社の株式の約20%を保有する三菱UFJ(8306)がトランプ相場後のように毎日5%ほど上昇することも考えられましたが、一旦様子見とした方が良さそうです。

阻まれたドル円110円への道

先週、超重要な節目であった112円を割り込んだものの、その後翌日の東京市場では追随する売り方が出てこずに、買戻しを強いられたという印象でした。

今週に入ってからは、113.00円以下には輸入や長期資金の買いが並んでおり、噂ではM&Aの買いも相当あると言われています。上方向は114円~115円はオプションに阻まれており、上も下も動きづらい展開となっています。

112円が割れた時に、これは110円を見にいくと多くの市場参加者が感じたはずですが、結果として実需の買いが強く良い買い場となったようです。

日足チャートは101円から118円まで上昇し、調整が7円であれば上昇トレンド維持?とはいえないまでも悪くないかたちです。ただ、115.50円トランプ会見後の高値を越えるのは、相当な減税の規模(20%以下)などの好材料がないと難しそうです。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想