方向感は定まりづらい - その中での下押しは“絶好の押し目”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/01/23 11:01

◆就任演説で反落 - 失望感台頭

※ご注意:予想期間は1月24日と表示されていますが、本日(1月23日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


トランプ大統領領就任演説を前にドル買いが強まったものの、演説後は再びドル売りが目立ちました。
一部で期待された“具体的は経済・財政政策”に触れられることはなく、“アメリカ・ファースト(保護主義)”のみに徹した内容が失望感を誘ったからです。
115.40円水準へと上昇していたドル円は、米10年債利回りの低下と共に114.20円水準へと反落しました。
もっとも同演説には“新たな火種となる暴言”も含まれておらず、114円を割り込むほどの勢いも見られませんでした。
114円半ばへと下げ渋って、先週末の取引を終えています。

◆ただ失望が囃された11日会見時とは、状況が異なる…!

これでトランプラリー再開の有無は“1月末の所信表明演説(一般教書演説に該当)ならびに2月初めの予算教書演説に持ち越し”となります。
このため“短期的な下値余地”は意識されるものの、失望が囃された11日会見とは異なり“トレンドを伴う動きは限定されやすい”と見るのが自然です。
…となると“方向感が定まらない”状況における“下押し”は、“絶好の押し目”を演出する可能性が高いということになってきます。

◆“もう一段の下値追い”は意識しつつも…!?

週明けの本日は“小幅ストップロス”を絡めつつ、“114円ラインを割りこんで”きました。“1/18~1/19の61.8%押し(113.731円)”まで明確に割り込んでしまうと、短期的には“もう一段の下値追い”を意識せざるを得なくなってきます。
しかしながらすでに“日足・一目均衡表先行スパンの分厚い雲(上限114.117円/下限109.924) ”に入り込んでおり、前記した“トレンドを伴う動きは限定されやすい”との思惑も残ります。

114円ラインを挟んだ“上下40-50pipsの揺れ動き”を想定しつつ、その上で“下押し局面は押し目買いチャンス”と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:115.613(1/19高値、12/15~1/18の50%戻し水準、日足・一目均衡表基準線、20日移動平均線)
上値4:115.377(1/20高値)
上値3:115.216(ピボット1stレジスタンス)
上値2:115.000(大台)
上値1:114.713(日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:114.552
下値1:114.211(1/20安値)
下値2:114.090(1/18~1/19の50%押し、日足・一目均衡表先行スパン上限 、大台、ピボット1stサポート)
下値3:113.731(1/18~1/19の61.8%押し、20月移動平均線)
下値4:113.547(ピボット2ndサポート)
下値5:113.285(1/18~1/19の76.4%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:16 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想