以前として強いドル買い需要

著者:川島寛貴
投稿:2016/12/07 20:39

生保のオープン外債へのシフト

ドル円が114円を挟んでレンジ相場となっていますが、イタリアショック字を安値に確実に下値を切り上げています。

今週は海外時間でのドル円の上昇が目立ち、いよいよ本格的に115円をトライするように思えます。

ただ、114.50円より上では利食いが目立ち、まだまだ月曜日の深夜のように材料がないなか突如として下落する可能性が考えられます。

ちなみに、雇用統計後の高値が114.71円を付けたのが0時、月曜日深夜の高値114.76円を付けたのが0時となっています。今夜も日付変更あたりでピークとなるのでしょうか。

さて、日経新聞に最近の相場を生保の運用担当者はオープン外債(いわゆるノンヘッジ)で利益を細かく取っていたという記事を目にしました。外債のヘッジコストが上昇し、ヘッジ付外債の運用が困難になっていたので、「やはりきたか」という展開です。これも新たな円売りドル買い要因となりますね。

なにせ、生保の運用総資産は300兆円もあります。もちろん、全てが債券運用というわけではありませんが、大部分の運用は債券で行われています。そして、国内主要生保5社が下期の運用計画ではオープン外債を積み増す方針を明らかにしていることもあり、今後下値ではボディーブローのように買い需要が出てくると考えられます。

既に今週の値動きを見てみても、「Buy on Dips」が機能しており、これら外債購入フローに加えて、外債のヘッジ外し(ドル円ショートの買戻し)等の動きも出てきているのかもしれません。

高値では短期勢がしっかりと利食いを入れているようなので、短期で回転さながら、押し目買い戦略が良いのではないでしょうか。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想