ユーロの買い戻しから、今後欧州圏の金利動向にも注目する必要も

著者:平野朋之
投稿:2016/12/06 11:25

■現状ではドル買い要因が目白押し

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■昨日は、注目されていたイタリアの国民投票の結果、大衆主義が勝利したことで、ユーロ不安からリスク回避が選考しました。
ドル円もギャップダウンのスタートで一時、103円割れがあったもののその後は、しっかりと持ち直し再度114円台に突入、また良好な米経済指標をきっかけに株式市場は史上最高値更新したことで過度なリスク回避も抑制されています。


■さて、先週のOPEC会合、そして昨日のイタリアの国民投票のイベントリスクは、通過ました。

NYダウは史上最高値、原油は年初来の高値と、市場環境は今年の年初の「負の連鎖」の真逆の展開となっています。
つまり、市場はリスク回避からリスク選好に頭が切り替わっていることが最近の動きで明白になっています。

それは、IMM日本円のポジションの変化にも現れています。
米大統領選を境に極度なロングを手仕舞いし、今では完全にフラットな状況になっています。
その意味でもこの先のドル円相場を見る上では、価格の節目としては、やはり115円が重要なラインになりそうです。

材料的にも115円を突破するには、期待だけでなく何かもうひとつ後押しが欲しい相場展開になっています。


■しかし、この上昇の中で、気に留めて置かないといけない点もあります。

それは、トランプ新大統領が就任するまであとわずかとなってきたことで、「期待と事実」のギャップがどの程度あるのか?ということです。

また、昨日のイタリア国民投票、オーストリア大統領選で、大衆主義が勝利したことで、ユーロ圏での長期金利は上昇する可能性があります。
これまで米長期金利だけが焦点となっていましたが、ユーロ圏の金利動向にも注視する必要がありそうです。少なくても、昨日のユーロドルの日足をみれば、一旦底打ちしたように見えます。

その意味では、ユーロの買い戻しによるドル売りには注意が必要です。


■最後に本日のドル円です。

昨日の安値を突破すれば、調整局面になると見ています。
その意味では、逆指値を入れておくイメージです。


昨日安値…112.85円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想