再度陽転換(日足、週足)となると、買いが入り易い地合いに トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/10/21 11:35

■中期ファンダメンタルズは不透明ながらも、買い優勢


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■昨日は、注目されたECB理事会でQE(量的緩和)の縮小を協議しなかったことで、ユーロ安が進行しました。また、米経済指標も市場予想を上回りドル買い優勢の一日でした。

■本日は、特に大きな経済指標の発表もないので、原油や株価を横目にしながらの展開と予想しています。

■本日は、ドルインデックスの状況を確認してみます。
直近高値を上回り更に上昇し、引値ベースでは今年3月以来の水準に足しいています。

この上昇の背景はやはりユーロ安の影響が大きいとみています。
特にユーロドルのチャートをみれば、ブレクジット時につけた安値1.0911ドルを下回る勢いで進行しています。昨日はECB理事会でテーパリング報道もスルーされてしまい、売り材料が目立ち、更にテクニカル上でも売り優勢の展開になっています。

今までは日本に対しての牽制は行っていたものの、ここで新たに「ユーロ」という新たなカードが出たことで、更にドル高に拍車がかかったようにみえます。
このドル高が続くようであれば米経済も失速する恐れもあります。


■一体どこまでこのドル高が容認できるのか…?

少なくても、これまで株高や海外に配慮して時間稼ぎで追加利上げを据え置いてきました。更に、厄介なことはOPEC減産合意期待に対する「原油高」です。エネルギー高が中期的に継続するようであれば、個人消費にも影響もでる可能性があり、その意味でも注視したいところです。
また、これは米国だけの問題でもなく、中国も同様のことが言えます。


■最近、材料視されてこなかった中国も今月の貿易収支が大幅に悪化したことで、景気失速懸念が台頭しました。辛うじて7-9月GDPは予想どおりだったのでチャイナショックは起きなかったものの、やはりリスク要因としては潜在的にいると思います。


この状況を踏まえ、リスク要因はまだまだあり、不透明感は拭えていないのが、金のETF残高に表れているのです。金ETF“SPDRゴールドシェア”の残高は970トン台に入り、今年8月の水準まで積み増されています。その意味でも、いずれ「ドル高=金安」が「金高ドル安」に変化するとみているので、ドル円もそれに応じて、ポジションを再構築する必要があるとみています。


■最後に、ドル円のポイントとしては短期には「買い優勢」とみています。平均足(改良版)の実体部も下から上抜けると(NYクローズ時点で)、週足、日足共に陽線となることで
しっかりと押目を狙っていきたいと思っています。

以下は、4時間足ベースの押目ポイントです。

ボリンジャーバンドセンター…103.76円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想