戻り売りが巻き返したが、リスク回避一辺倒にはならない…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/09/30 10:56

◆102円手前まで急反発も、長続きせず…

※ご注意:予想期間は10月1日と表示されていますが、本日(9月30日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


期待した「9/21~9/27の61.8%戻し(101.741円)」へと急反発したものの、長くは続きませんでした。
101.80-102.00円に展開する分厚いドル売りオーダーは跳ね返され、次第に戻り売り圧力が勢いを増していきました。
事前予想を上回る米4-6月GDP・確定値(+1.4%)/新規失業保険申請件数(25.4万件)で再び101円後半へと盛り返す場面も見られましたが、「ヘッジファンド約10社が決済業務を他行に移管」との報道を機に下落に転じています。
102円手前まで大きく反発したドル円ですが、その2/3はすでに吐き出してしまった格好といえます。

◆ドイツ銀行懸念にマーケットは“食傷気味”…?

“ドイツ銀行懸念”は株安につながりやすく、“リスク回避⇒円買い”へと急速に頭をもたげかねない要因といえます。
どうしても下げたい“ドル戻り売り勢力”には絶好の材料といえますが、ただこの懸念は今に始まったことではありません。
「一昨日(緩み)⇒昨日(再燃)」でマーケットは“食傷気味”となっている感も否めず、新たな売り材料でも跳び出してこない限り(もちろんリスクの深化も可)、リスク回避一辺倒といった展開は想定しづらいところです。

◆本日は主要米経済指標が目白押し、上振れると…!?

一方で本日は、米個人所得/消費支出やPCEコアデフレータ、シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大消費者態度指数等、主だった米経済指標が目白押しとなっています。
FRB関係者の相次ぐタカ派発言は「やはり上げたがっている」との思惑を誘いやすいと見られますので、米経済指標が上振れると、再び米金利先高観へ目が向かう可能性を考えておかなければなりません。

オーダー状況を見ると、「101円割れ~昨日高値後の安値(100.839円)にドル買いオーダー」「20日移動平均線(本日は101.628円)付近にドル売りオーダー」が、比較的厚めに積み上がっているようです。
もちろん結果次第ですが、リスク回避一辺倒になりづらい以上、大きな下落は期待薄…。
週末ですので膠着状態を想定しつつ、再び値を戻す展開を期待したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:101.919(日足・一目均衡表先行スパン下限、大台)
上値4:101.829(9/29高値、50日移動平均線)
上値3:101.627(20日移動平均線 ピボット1stレジスタンス)
上値2:101.423(日足・一目均衡表転換線、9/29高値後の61.8%戻し)
上値1:101.334(9/29高値後の50%戻し)
前営業日終値:101.026
下値1:100.839(9/29高値後の戻り安値)
下値2:100.744(9/27~9/29の61.8%押し)
下値3:100.639(9/29安値)
下値4:100.487(9/27~9/29の76.4%押し、ピボット1stサポート)
下値5:100.266(9/28安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:11 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想