8年ぶりの原油減産合意での株高ドル高も、今後合意が守られるか?は不安要素

著者:平野朋之
投稿:2016/09/29 11:41

■101円40〜50銭レベルは売りポジションが多い


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■昨日は、欧米株高や原油価格上昇を背景にリスク回避が抑制され、100円台後半まで押し上げました。特にOPECの非公式会合で産油量を制限することで合意したことで、市場のムードは一変したようにみえました。

■本日は、8年ぶりのOPECの減産合意やドイツ銀行の一部の事業を売却報道から不安心理が和らぐことで、目先はリスク回避が抑制されやすい一日になるとみています。

昨晩もこの場で、OPECの減産合意には懐疑的な見方を私個人もしていましたので、これはサプライズです・・・。


■しかし、本当に減産合意が出来るのか‥?と不安定要素もあります。

というのも合意破りの増産が起こる可能性もあるからです。
減産合意は決まったものの、どの国がどれだけの量を減産するかはまだ決定していません。また、ここに来て国際市場に参加したイランが減産する意味があるのか‥、サウジアラビアに対して敵対心があるだけにどこまで忠実に減産を行うかは不明瞭だと思っています。

■一方、原油のテクニカルでは三角持ち合いを抜け、50ドル回復も視野に入れる必要がありそうです。たった一晩で5%の価格上昇なので利食いは出てもおかしくないところですが、押し目買いが入る環境に変化しそうです。

原油価格の上昇は市場にとってはプラス材料となりやすいが、急激な価格上昇が起きることでマイナス材料にもなりえます。
というのは、米国民の台所事情を直撃するからです。その意味では消費に対してブレーキがかかりやすく、最悪は、“消費マインド低下→インフレ抑制→利上げ見送り”となることも同時に考えておきたいところです。


■まや、米利上げに関しては・・・、

少なくても昨年の利上げ当初は、年4回の利上げ予定から、2回に変更、そして現在では1回も‥?といった感じになっています。

これだけFRBの複数の高官が利上げに前向きなだけに、何とか年1回は死守したい狙いもあるようにみえます。むしろ、市場にはショックを与えないように年1回をイメージづけるための時間稼ぎにもみえます。


■最後に、本日のトレードポイントをお伝えします。

基本は目先の上昇に対する戻りを狙うイメージです。

以下は戻りポイントです。

・水平線…101.40円
・ボリンジャーバンドセンター(日足ベース)…101.78円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想