リスク回避姿勢後退の割に、上値重いが…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/09/29 10:47

◆リスク回避姿勢に“緩み” - ドル円巻き戻し

※ご注意:予想期間は9月30日と表示されていますが、本日(9月29日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


やはり“深化”より“緩み”が目立ち始めています。

昨日は“ドイツ銀行の財務悪化懸念”“OPEC非公式会合への不透明感”に“緩み(改善)”が見られ、リスク回避姿勢は巻き戻されました。
前者は“資産売却報道”、後者は“8年ぶりの減産合意”が材料視され、積み上がっていた円買いポジションが巻き戻されていきました。
イエレンFRB議長が議会証言にてあらためて“年内利上げを示唆”したことも、ドル買いとなって後を押した感があります。
100円半ば~後半で堅調に推移したドル円は、東京タイムに入って101円台に乗せてきています。

◆“戻り売り圧力”は依然として根強い、それでも…!?

もちろんリスク回避要因は依然としていくつも存在していますので、“戻り売り圧力”は根強いものがあります。
どうしても下げたい“ドル戻り売り勢力”も存在しますので、もたもたしていると“上値が重い”を囃して再び攻めかかってこないとも限りません。

しかし合意内容にまだ不透明感を残しつつも、8日以来の高値を更新した後、原油が47ドル台を維持しています。
これは積み上がった売りポジションがまだ残っている可能性を示しており、もう一段の巻き戻しが期待されるところです。

ドル円も同様のことがいえる状況であり、ドル売り・円買いポジションはまだ解消されておりません。
101.00円超にもドル売りオーダーが10銭刻みで展開していますので、「リスク回避後退の割に上値が重い」を囃すには“持って来い”かもしれませんが、もう一段の巻き戻しは期待したいところです。
少なくとも「日足・一目均衡表転換線(本日は101.423円)」「9/21~9/27の61.8%戻し(101.741円)」辺りを試す位までは…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:101.423(9/21~9/27の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:101.242(9/23高値)
上値3:101.088(9/26高値、9/21~9/27の38.2%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:100.979(9/27高値、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:100.808(9/28高値)
前営業日終値:100.679
下値1:100.361(ピボット1stサポート)
下値2:100.266(9/28安値)
下値3:100.186(9/27高値後の戻り安値)
下値4:100.058(8/26安値、9/27安値、大台、ピボット2ndサポート)
下値5:99.862(8/19安値、8/23安値、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:53 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想