期待は大きいが、“無理&決め打ち”は禁物

著者:武市佳史
投稿:2016/07/29 10:58

◆思惑交錯 - 105円半ばへ持ち直すも、本日早朝に波乱

※ご注意:予想期間は7月30日と表示されていますが、本日(7月29日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“期待と不安”が入り混じり“上に下に(昨日は下に上にでしたが…)”と揺れ動いたマーケットですが、結果的には105円半ばへ持ち直して昨日の取引を終えています。
「政府からの圧力もあり、日銀が追加緩和を検討中」との一部報道を背景に、期待感がより勝ったからです。

しかしながら日を跨いだ後、波乱が起こりました。
105円半ばで推移していたドル円は、一気に103円台へ急落したからです。
詳細は判明していませんが、「誤発注(105.30売りを103.50売りに誤って発注)」との噂がまことしやかに流れています。
その後はすぐさま104円後半へと値を戻していますが、「流動性が乏しい時は何でも起こる」を地で行く乱高下だったといえます。

◆いよいよ日銀金融政策決定会合! - 発表後は一気に動意づく…!?

こうしてマーケットが不安定となっている状況下、いよいよ本日は日銀金融政策決定会合が行われます。
依然として見方は割れており、“期待と不安”が入り混じっています。
「発表まではさらなる流動性が低下」、しかし「発表後は一気に動意づく」が想定されるところです。

「据え置きで円買い」「追加緩和実施で円売り」がファーストアクションでしょうが、相次ぐ事前報道で「ある程度の織り込み済」との見方があるのも事実です。
このため仮に緩和実施でも「仕掛け的な円買い」が持ち込まれないとも限らず、「かなり荒れる」を想定せざるを得ません。

◆期待は大きいが、“無理&決め打ち”は禁物

個人的には「追加緩和実施⇒ドル円大幅上昇」と見ていますが、こればっかりは蓋を開けるまでわかりません。
また一部報道で流れる「緩和決定後には、政府が声明を公表」にも“援護射撃”への期待が募りますが、こちらも不透明といわざるを得ません。
ハシゴを外されたという、これまでのトラウマもあります。

期待は大きいものがありますが、“無理&決め打ち”は禁物。
結果が出るまで積極的なポジショニングは手控え、その後に起こるであろう大きな波(乱高下?)に乗りたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:少し広げています
108.567(3/2~6/24の61.8%戻し)
108.101(3/29~6/24の61.8%戻し)
107.821(100日移動平均線)
上値5:107.481(7/21高値)
上値4:106.838(200週移動平均線)
上値3:106.504(7/27高値)
上値2:106.000(大台)
上値1:105.577(50日移動平均線)
前営業日終値:105.305
下値1:104.458(7/28安値)
下値2:104.257(20日移動平均線)
下値3:104.007(日足・一目均衡表先行スパン下限、7/14安値、7/26安値、大台)
下値4:103.898(7/13安値、6/24~7/21の38.2%押し)
下値5:103.732(7/8~7/21の50%押し)
103.190(6/24~7/21の50%押し、日足・一目均衡表基準線)
102.847(7/8~7/21の61.8%押し)
102.448(7/12安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:12 ドル円 抵抗・支持ライン追加
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武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想