“期待感”は発表まで残る - 大きく崩れる展開は期待薄…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/07/28 11:23

◆「日銀追加緩和/政府による経済対策」を巡る思惑(報道)で乱高下

※ご注意:予想期間は7月29日と表示されていますが、本日(7月28日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


FOMCそっちのけ、日銀追加緩和/政府による経済対策を巡る思惑で“動く、動く…”。

まず「日銀は追加緩和に動く」との報道で104円台を固め、「経済対策は27兆円規模」にて上方向に動き始めました。
そして「50年債発行を検討」で加速し、106円半ばへと一気に駆け上りました。
ところが「発行は検討していない(財務省理財局)」で水を差されると105円手前へ急反落、その後も思惑にて上を下へと揺れ動く荒い展開でした。

◆FOMCの影響は限定的 - 目先は利益確定売り優勢

肝心のFOMCは「予想通りの据え置き」に落ち着きましたが、声明に「経済見通しへの短期リスクは後退」が加わりました。
“9月利上げの可能性”が残った格好ですので発表直後に106円台回復も見られましたが、ただ“明確な利上げ時期”が示されたわけではありません。
このためこれを背景にしたドル買いは短命に終わり、次第に利益確定売りが優勢となっていきました。

◆テクニカル的には“上値の重さ”が先行しそう…?

…ということで、本日も“日銀追加緩和/政府による経済対策”が主要なテーマになると見られます。

一旦は越えたものの、終値ベースでは“50日移動平均線”に押し戻された格好になりますので、テクニカル的には“上値の重さ”が先行しそうな雰囲気が醸し出されています。
連日の期待報道で「追加緩和ハードルは高まっている」印象もあり、そろそろ「失望期待の仕掛け的な円買い」にも警戒しておく必要がありそうです。

◆しかし“期待感”は残る - 大きく崩れる展開は期待薄…!?

しかしハッキリとした結果が出るまで「追加緩和への期待感は残りやすい」と見られる中、20日移動平均線(本日は104.163円)を割り込むほどの勢いは見られておりません。
つまり「大きく崩れる展開は期待薄」と考えます。

“様子見ムード”がそろそろ台頭してもおかしくありませんが、昨日の乱高下で“売り方/買い方”共に傷んでいます。
「神経質な展開は続く」を基本としつつ、本日も「揺れ動く」。
その上で「戻り売り」より「押し目買い」で、考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:106.708(7/25高値)
上値4:106.504(7/27高値)
上値3:106.333(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット1stレジスタンス)
上値2:106.016(7/27NYタイム高値、大台)
上値1:105.692(50日移動平均線)
前営業日終値:105.299
下値1:104.952(7/26~7/27の61.8%押し、大台)
下値2:104.636(7/27安値、7/26~7/27の76.4%押し)
下値3:104.445(ピボット1stサポート)
下値4:104.164(20日移動平均線)
下値5:104.000(大台、7/14安値、7/26安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:44 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想