ポジション調整先行も、次第に“買い戻し圧力は強まる”…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/07/26 11:16

◆200週移動平均線を越えられず…

※ご注意:予想期間は7月27日と表示されていますが、本日(7月26日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


一時106.70円へと反発したドル円でしたが、期待していた200週移動平均線(106.851円)を越えることはできませんでした。
このためポジション調整が次第に強くなっていき、日米株安に引っ張られたNYタイム中盤には106円ラインを割り込みました。
105円後半では底堅い動きを見せていたものの、本日に入ると下落圧力が再び強まって105円割れへと売り込まれました。

◆下落スピード早いが、下値追いには“さらなる要因”が必要…?

かなりの下落スピードですが、短期筋の“仕掛け”というよりは“ポジション調整”と見るのが自然です。
再び下落圧力がかかったのは「日経平均続落を確認したタイミング」であり、“株安⇒リスク選好の巻き戻し”に“ポジション調整売り”が重なったと考えられるからです。
このため下値追いには“さらなる要因”が必要と見られ、それがなければ“自然と買い戻しが入ってくる”と考えます。

◆FOMCは“様子見”が基本、主要テーマは“日銀会合”

こうした状況下、本日からFOMCが予定されています。
“現状維持”がほぼ100%の確率で織り込まれていますので、ポイントは声明ということになります。

+28.7万人を記録した米6月雇用統計等、直近の米経済指標は良好な内容が目立ちます。
またNYダウが史上最高値を更新(昨日は反落していますが…)、米10年債利回りも低水準にて低迷(債券価格は高騰)していることを考えると、「これ以上の利上げ後ズレ示唆(ハト派)」は“バブル助長の可能性を孕んでいる”といわざるを得ません。

一方で“6月の利上げ見送り”の主要因は“英国のEU離脱問題(いわゆるBrexit)”でしたが、英国は「年内にはEU側と交渉は開始しない」と明言しています。
つまり「その影響度合いを織り込む段階にはない」ということになりますので、「タカ派に寄せるのも難しい」と見られます。
つまり“様子見”を強いられる可能性が引き続き高く、動意は乏しい(動きづらい)と考えます。

その上で見方が割れる日銀金融政策決定会合を控えており、テーマは移ると考えられます。
「追加緩和への期待感は残る」と見られる中、株安に引っ張られる格好で「ポジション調整はすでに進行」しました。
株価動向を睨みながらにはなりますが、次第に“買い戻し圧力は強まっていく”と考えたいところです。
105円割れは積極的に拾っていくところ…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:106.708(7/25高値)
上値4:106.435(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット1stレジスタンス)
上値3:106.336(7/25高値~7/25やすねの61.8%戻し)
上値2:106.000(大台)
上値1:105.894(50日移動平均線)
前営業日終値:105.778
下値1:105.562(7/22安値)
下値2:105.419(7/21安値、ピボット1stサポート)
下値3:105.101(ピボット2ndサポート)
下値4:105.000(大台)
下値5:104.616(7/8~7/21の38.2%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:27 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想