■英国の出方次第では、ギリシャショックの様に扱われる可能性も

著者:平野朋之
投稿:2016/06/29 11:33

■市場は次の材料探しに・・・


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■昨日は、リスク回避の動きが落ち着く中、消費者信頼感指数が
大幅に上昇したことが背景となって102円ミドルまで押し上げる場面も
ありました。しかし、その後は、英国やEUの動向が不透明なことから
上げ渋っています。

また、ムーディーズが英国の銀行システム格付けをネガティブに
引き下げたことを発表したことで、ポンドの戻りも鈍さが目立ちます。
格付け会社の見直しによる下方修正は債券市場が急落する可能性もあり、
その点でリスク回避に発展する恐れもありそうです。


■EU離脱による過度なリスク回避は落ち着きを取り戻しているように
みえます。しかし、今後の英国の出方次第では、ギリシャショックの様に
扱われる可能性もあるので要注意です。

これは、激震が収まりつつありますが、EUが英国に対して厳しい
注文をつけることによって、英経済は落ち込み、今後不透明感が
増す中で、マイナス材料は大きく値を崩す要因になりそうです。

チャート的にも先週末の暴落から、一旦の利食いや時間的な調整が
入りやすくなっていますが、トレンドは下向きのままです。


■投資家の目線が英国民投から米国の利上げスタンスの軌道修正に
なりつつあるとみています。一部の報道では、年内の利上げ見送り
どころか利下げを検討し出しているとの報道も出ています。

その点からも次回FOMCや雇用統計にも注目が集まりやすくなります。


■いずれにしてもその不透明な世界経済を象徴しているのが、金のETF
残高です。先週末と今週月曜日の2営業日で31.48トン増加しています。

この残高の急増がリスクヘッジの表れであり、リスク回避相場が
終わっていない証拠でもあります。


本日は、4時間足のボリンジャーバンドが示すようにバンド幅が
狭まっています。

材料的にも今週末の日銀短観、来週の雇用統計に目線が移ることから、
様子見が強くなるとみています。そんな状況下では、利食い幅を狭めた
逆張りでのエントリーが有効と考えています。


以下は、ポイントとなる価格です。

ボリンジャーバンド1時間足-1σ(102.32円)
ボリンジャーバンド1時間足-2σ(102.12円)

ボリンジャーバンド1時間足+1σ(102.73円)
ボリンジャーバンド1時間足+2σ(102.93円)
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想