パニック的にあらず - やはり“目先の余波”は続かない…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/06/28 11:10

◆リスク回避の円買い継続も、パニック的ではない動き

※ご注意:予想期間は6月29日と表示されていますが、本日(6月28日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


英国民投票を受けた混乱は昨日も続き、ポンド売りが進行する中で、リスク回避の円買いも継続しました。
ドル円は再び102円ラインを割り込み、一時101.40円水準まで下落しています。

もっとも先週末のようなパニック的なものではなく、先行きの不透明感が誘った格好といえます。
このため短期的な往き過ぎ感の修正圧力も発生しやすく、同水準を維持もしくはさらに下押す展開は回避されました。
またリスク回避姿勢は“円買い”のみならず“ドル買い”にもつながっている面があることも、結果的にドル円を底堅くさせたと見られるところです。

◆イメージは「ポンド売り/リスク回避(円買い)」だが…!?

株安は継続しており、リスク回避への警戒感が円買いを断続的に発生させる可能性は否めません。
ただパニック的な動きではない分だけ、ドル円への影響は限定されると見られます。
昨日は薄かったドル買いオーダーも、本日は101.80円付近から下方向にびっしりと散見されています。
本日からEU首脳会議が開催されますが、キャメロン英首相はここで「EU離脱(Brexit)は通知しない」と述べており、すぐに“EU離脱手続き”がスタートするわけでもはなさそうです。

流動性が極端に低下する昨日早朝のオセアニアタイムにおいても、“仕掛け的な円買い”はそれほど観測されておりません。
イメージ的には「ポンド売り/リスク回避(円買い)」ですが、「リスク回避姿勢は一旦収束」「いつ巻き戻されてもおかしくない」を頭の片隅に残しておく必要がありそうです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:103.237(6/24安値後の戻り高値)
上値4:103.016(ピボット2ndレジスタンス、大台)
上値3:102.849(日足・一目均衡表転換線)
上値2:102.452(6/27高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:102.121(6/27安値後の戻り高値)
前営業日終値:102.007
下値1:101.665(6/27安値後の61.8%押し)
下値2:101.383(6/27安値、ピボット1stサポート)
下値3:101.068(6/24安値~6/24戻り高値の50%押し、大台)
下値4:100.878(ピボット2ndサポート)
下値5:100.555(6/24安値~6/24戻り高値の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:23 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想