■週足ベースは12月以来の陽線転換で押し目を探る展開も、勢いは強くない・・・

著者:平野朋之
投稿:2016/05/30 09:50

■利上げの次の一手は?

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■注目されていたFRBイエレン議長のスピーチで、今後数カ月に
利上げすべきとの認識を示したことで、6月利上げ期待が選好に
拍車がかかり110円台をキープしました。

この影響で今週末の米雇用統計に対する期待度が増加し、相場は
米追加利上げモードにスイッチが入ったとみています。

それを裏付けるように、IMM日本円のファンドの買い越しが
約3万6千枚減少したことでドルの上値が軽くなったとみています。

週足ベースの平均足(改良版)は、昨年12月以来の陽線転換の
可能性もあり、短期的には111~112円を目指す可能性があります。



■しかし、現状では120円を超えるような勢いはまだありません・・。

昨年のドル円相場を振り返れば、利上げ期待だけで123円後半まで
相場は押し上げたものの、実際利上げを行ってからは「噂で買って
事実で売る」のセオリーどおりの展開になりました。

今回の追加利上げも似たような展開になる可能性もあります。

その理由としては、週末のイエレン議長の「FRBが時間をかけて
緩やかに、かつ慎重に金利を引き上げることは適切だ」というこの
言葉です。

確かに以前よりはトーンが上がっているようにも思えますが、
次の利上げまでは行うものの、その次の一手が読めていない
現状です。



■その背景にやはり原油相場の1バレル50ドルの回帰は
要素としては大きいと思います。
しかし、この50ドル以上の価格押し上げには、それなりの需要や
景気拡大も必要不可欠であり、現在の原油にはそこまでのパワーがないと
見ています。
つまり、戻り相場の限界点にきているとみています。既にテクニカル
では、月間足のRSIをみれば買われすぎを示唆し始めているのです。

もし、原油相場の調整が始まれば、これまで描いてきた米雇用および
インフレ回帰に陰りが出始める可能性も否めません。つまり、原油相場の
動向次第でドル円相場もまた瞑想状態になる可能性があるとみています。

その意味でも今週のOPEC総会は注目のイベントです。


テクニカルポイントです。

上値抵抗
移動平均75日線 110.90円
2016年4月25日高値 111.90円


下値抵抗
2016年5月25日安値 109.10円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想