清潔志向の高まりで超音波洗浄器に関心

著者:冨田康夫
投稿:2016/05/24 18:20

自動洗浄機に需要の高まり

 国民全般の清潔志向の高まりや、高齢化社会の進展に伴い各種自動洗浄機器の需要が高まりをみせている。そこで注目を集めているのが、洗剤の使用量が極めて少ないなど環境面でも良好な超音波洗浄機だ。

 超音波洗浄のメカニズムは、微細な泡の発生とその破裂に伴うエネルギーによるもので、泡が破裂すると同時に物体の表面から汚れが浮き上がる。超音波の周波数がより高いほど、泡の発生するポイントが多くなりより高精度の洗浄ができる。一般的には、周波数20~50キロヘルツ程度の超音波を用いる洗浄器具が販売されている。

 個人向けでは、宝石、メガネレンズなどの光学製品、コイン、時計、歯科および外科治療で使われる器具、万年筆、機械部品、電子機器などの洗浄に用いられるケースが多い。また、業務用では宝石の加工、時計工場、携帯電話の修理などで日常的に使われている。

 具体的には、シチズンホールディングス<7762>がメガネ、時計の金属バンド、入れ歯、貴金属(アクセサリー)、シェーバーの刃などを対象とした超音波洗浄器を販売している。また、調理家電や照明、掃除機、季節家電など企画・販売を手掛けるツインバード工業<6897>もやや大きめな超音波洗浄器を手掛けている。さらに、パナソニック<6752>オムロン<6645>は、音波式電動歯ブラシの品揃えを充実。一方、理化学機器・用品卸でトップのアズワン<7476>は、研究機関向けで実験用機器の洗浄などに使用する耐薬品性に優れたポリプロピレン製の大型機種を販売している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想