リスク回避の進展具合には引き続き警戒も、「押したところは買い拾い」は継続…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/05/24 10:43

◆“リスク回避”が強まり、ドル円反落に転じる

※ご注意:予想期間は5月25日と表示されていますが、本日(5月24日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


株安の影響はそれほどでもなかったものの、限月替わりの原油安は想定以上に“リスク回避”と捉えられました。
これに本邦貿易黒字拡大を背景にした“円買い圧力”が加わり、ドル円は反落に転じました。
FOMC議事録公表の直前水準(109.570円)を割り込むと、109.110円水準まで下値を切り下げています。

◆ただし“円買い圧力は緩慢”

ただ確かに“リスク回避”には寄ったものの、“リスク回避一色”には発展してはおりません。
また昨日の動き(円全面高)は“リスク回避”だけで説明するは“少々無理がある”ようにも感じられます。
「本邦貿易黒字拡大」「G7明けのポジション調整」に「原油安によるリスク回避」が重なりあったと考えるのが自然ですが、しかし重なった割に“円買い圧力は緩慢”にも感じます。

「米雇用堅調でインフレに上振れ圧力(ブラード・セントルイス連銀総裁)」「年2-3回の利上げが妥当(ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁)」等、米要人発言も依然として“タカ派”に寄ったままでした。

FF金利先物から見た米利上げ見通しに“マーケット-FOMC間で乖離(温度差)”が依然として残っている中、現行ポジションに“さらなる円買い圧力”が残っているとも思いづらいところです。

◆リスク回避の進展具合には引き続き注意が必要だが…!?

リスク回避の進展具合には引き続き注意が必要ですが、「押したところは買い拾い」は継続と考えたいところです。
20日移動平均線(本日は108.545円)を明確に割り込んでくるまでは・・・。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.238(5/23高値)
上値4:110.020(5/20~5/23の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス、大台)
上値3:109.846(5/20~5/23の50%戻し)
上値2:109.672(5/20~5/23の38.2%戻し)
上値1:109.402(日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:109.231
下値1:109.110(5/23安値)
下値2:109.000(大台)
下値3:108.815(ピボット1stサポート)
下値4:108.660(5/3~5/20の38.2%押し、5/18安値、日足・一目均衡表基準線)
下値5:108.545(20日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:58 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想