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週末まとめ -10/13/2008-

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★アメリカ
週間では、ダウは-18.2%、ナスダック指数は-15.3%、S&P500は-18.2%の大幅下落でした。一週間を通じてダウは下がり続け、週間の下落率は指数算出以来、最悪の数字となりました。約一年前につけた高値からのダウの下落率は40.3%に達しています。戦後のベアマーケットの平均下落率が30%台前半なので、長期で見ても今回のベアマーケットはかなり強烈な部類に入ります。株式市場は、ITバブルやブラックマンデーの時のような異常な水準まで買われていたわけではないのに、ここまで下がるのはすごいですね。それだけ株式市場以外の金融市場、おもに証券化商品やデリバティブ商品のバブルがひどかったのでしょう。VIX指数の過去のピークは40台でしたが、先週今週はそれを大幅に更新し、金曜日には76.94まで達しました。

火曜日にはFedによるCPの買い取り制度を発表、水曜日にはECBなど各国との協調利下げを行いましたが、金融不安は収まらず株式市場は下げ続けました。ただ、株式市場が下げたからといってこれらの対策が意味のないことではないと思います。今は市場全体がパニックに陥っていていますが、いずれは実体経済にも株式市場にも効いてくるでしょう。9月以降、米財務省、Fedは矢継ぎ早に金融不安への対策を行っています。(抜けているところ、変なところあったらご指摘ください。)
・フレディマック、ファニーメイを政府管理下へ(住宅市場支援)
・AIG救済(CDSがやばすぎた。連鎖破綻防止)
・GMに巨額融資(自動車産業には多くの人が関わっている)
・GS、MSを銀行持ち株会社へ(預金をバックに資金調達安定化)
・不良債権買い取り制度の成立(金融機関の膿摘出)
・銀行間取引市場への大量の資金供給(輸血)
・銀行準備預金への利払い(お金の流れをスムーズに)
・CP買取(企業の資金繰りが停止するのを防ぐ)
・各国との協調利下げ(実体経済支援&市場を落ち着ける)
経済活動を人体に例えると、血液の流れ(お金の流れ)が滞って壊死する部位が出てきたので、大量に輸血しつつ駄目になった部位は緊急オペして、その機能は全部、米財務省・Fedが担ってやるって感じになっていますね。住宅市場もCP市場も証券化市場も銀行間取引市場も。私のイメージだと、なんかもう、サイボーグ。まあ、ほっとくと死んじゃいますから。危機的状況が過ぎ去って、各部位が回復してきたら自然な状態に戻せば良いと思います。

中長期で見た場合、今の株価は今後も成長していける株にとっては絶好の買い場だと思います。例えば、人口が増えれば売り上げも増えるであろう生活必需品関連、不況下でも強さを発揮するディスカウント店、中国の内需など市場全体が成長できる場所で商売をしている企業。景気敏感株は、まだ業績悪化の底が見えないので、1,2年のスパンで見た場合は株価もまだ底では無いかなと思っています(目先は反発しそうですが)。


★日本
週間では、日経平均は-24.33%、TOPIXは-19.76%でした。日経平均は10/10には歴代3番目、10/8には歴代4番目(8日の時点では3番目)の下落率を記録し、歴史に残る一週間となりました。記録は見つけられなかったのですが、週間の下落率はたぶん過去最大だと思います。金曜日は10月限のSQでしたが、先月のSQから比べるとSQ値は約4300円下がりました。

業種別では先月までは底堅い動きだったディフェンシブ株にも換金売りが出て、武田薬品など大崩れするディフェンシブ株が目立ちました。そのかわり、週の後半にはコマツなどこれまで下落が続いていた景気敏感株に下げ渋るものが出始めました。

日経平均のPBRはついに1倍割れ。先月までの日経平均の過去最低PBRは1.33だったので、過去の水準と比べるとかなり異常な状況です。今はオーバーシュートの状況だと思います。ただ、過去は成長がありましたが今後は成長が失われていくでしょうから、長期的には、日本全体が衰退していく中で、おそらく日経平均自体が低PER、低PBRが当たり前のバリュー株になっていくのではないかと思います。(”衰退”というよりも、世界がフラット化し先進国のアドバンテージが失われていくに従い、その国の持つ国力相当の水準に収斂していく、と言った方が正確かもしれません)


★為替
円高が進みました。長期で外貨建て金融商品を買うのに良い時期が来ていると思います。金融商品自体の水準は別として、為替の水準としては、米ドル以外の先進国通貨、人民元以外の新興国通貨は、過去10年の最安値付近まできたら買い時ではないかと。ちなみに日本円と米ドルは、今後1,2年は強いかもしれませんが、今後10年、20年のスパンだと駄目だと思います。


★商品
全体的に下落。原油価格(WTI)は80ドル割れ。3ヵ月でほぼ半値になりました。銅やニッケルなどの工業用コモディティも下落幅が大きかったです。本格的な不況になれば、これらのコモディティは需要が大きく落ち込みますから。


★今週の予定

13日(月)
 日本市場休場
14日(火)
 インテル、J&J決算発表
15日(水)
 8月貿易収支(日)
 9月PPI(米)
 9月小売売上高(米)
 10月NY連銀製造業景気指数(米)
 ベージュブック(米)
 JPモルガン、ウェルズファーゴ、コカコーラ決算発表
16日(木)
 9月CPI(米)
 9月鉱工業生産(米)
 10月フィラデルフィア連銀景況指数(米)
 10月NAHB住宅市場指数(米)
 シティグループ、メリルリンチ、グーグル決算発表
17日(金)
 9月住宅着工件数(米)
 10月ミシガン大消費者信頼感指数(米)
 ハネウェル決算発表



土日は出掛けていたので、G7など週末の出来事をまだよくチェックしていませんが、とりあえず先週の状況をまとめとして書きました。何か重要なニュースが出ていたら是非教えてください!

それと、みんかぶ企画のお薦め投資本。良い企画ですね~。名著がいっぱいです。(一部、出版社がプッシュしたがっているような本もありますが)
http://minkabu.jp/special/top/book_r/index.html

以下、私の主観コメント。

・「生き残りのディーリング」の一部をここで読めます。
http://www.geocities.com/dealers_web/trader.html
・「生き残りのディーリング」を全然ジャンルの異なる「ランダムウォーカー」「敗者のゲーム」と並べるのはどうかと思う。トレーディングで収益を上げることを目指すのと、効率的市場仮説を支持するのは正反対のことじゃ。。。
・「まぐれ」は面白いけど、金融の知識がないと何言っているのかわかりにくいと思う。あと、投資家としての心構えというカテゴリはどうかと思う。「市場リスク-暴落は必然か-」と並べると良さそう。
・「マーケットの魔術師」は入れて欲しかった。
・メンタル系の本として「ゾーン」「相場のこころ」も是非。
・リバモア、ソロスは投資家じゃなくて投機家だと思います。
・外資金融の実態なら「ヘッジホッグ」が面白い。「巨大投資銀行」は読んだことあるけどあまり面白くない・・・。

ていうか、以下のサイトのように、多くの会員の感想や推薦を蓄積していけるようにすれば良いのに。みんかぶは、集合知を目指しているんでしょう?
http://bk.xrea.jp/
3件のコメントがあります
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    Tanpanさん
    2008/10/13 21:15
    こんばんは^^

    「生き残りのディーリング」や「マーケットの魔術師」を今回の暴落前に読めて良かったと思います。
    でなかったらたぶん自分のディーリングを反省する前に心が折れてしまったかもしれなかったです。

    新興国には頑張ってもらいたいです。
    って唐突ですけど。

    毎度変なコメントで…(^^ゞ
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    NGTNさん、こんばんは。

    確かに外貨建ての商品、惹かれますね。MMFとか。FXは私の性格には合わないと思うので、手が出ませんね。
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    NGTNさん
    2008/10/14 00:31
    Tanpanさん、
    良著は自分の行動を冷静に分析するためにも有効ですよね。失敗を糧にしていつかは自分も名著と言われる本を書いてみたい・・・なんちゃって。


    ナイス橋本・龍太郎さん、
    長期にわたってマイナススワップの状態が発生しない方に賭けるのなら、外貨MMFよりもFXの方が良さそうです。手数料安いですし、レバ2倍くらいでFXで長期で外貨買いをやった方が高い確率で利益が大きくなると思います。
    ただし、もしかしたら将来日本の金利が海外の金利よりも高くなってマイナススワップになるかもしれないので、長期ほったらかしで投資したいのならMMFの方が良いでしょうね。あと、今みたいな混乱期にはスワップポイントがおかしくなることもあるみたいなので、安全を求めるなら外貨MMFの方が安心だと思います(なぜか、ユーロ円ロングがマイナススワップになっています)
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