まひるさんのブログ

最新一覧へ

« 前へ3件目 / 全81件次へ »
ブログ

介護報酬改定に関する請願

介護報酬改定に関する請願がNCCUで行われています。事業経営者が、「生活できる賃金」を介護労働者に分配できる介護報酬の設定に向けて行う活動の一環となっており、内容は次の事を国会に取り上げてもらう事です。

他職種に比して劣らない賃金水準を実現できる介護報酬に改定して下さい。
介護報酬の改定にあたっては、新たな保険料の負担並びにサービス利用料の負担
が発生しない政策を確立して下さい。

要約すると、「国民負担、利用者負担を増やさずに介護報酬を増やして欲しい」という事です。
一般に介護職と言われている「介護保険サービス提供者」は、介護保険という社会保険システムを使って経営する「保険業者」です。介護保険サービスを提供する事により市町村から「介護報酬」が支払われ、それを用いて経営する事になっていますが、この介護報酬は介護保険料と公費で折半され、更にその1割を利用者が負担する事となっています。
(※ここでは介護給付費と介護報酬を厳密に区別していません)
現在、政策上の都合による社会保障費抑制の動きで介護報酬が低下している傾向にあります。この為、事業所に入るお金が少なくなり、経営上の都合で人件費を抑制せざるを得なくなります。
ここで理解して頂きたいのは、介護職員は仕事として介護をしているのであり、それは即ち、生活の為に働いているという事です。ボランティア精神、献身的であろうという精神だけで仕事は出来ません。
そして、これは介護職員だけの問題に留まりません。生活難になる人が多い為、他の職種と比べて人の入れ替わりが激しいと言われていますが、それは即ち、高い介護技術を持つ人が育たないという事に繋がります。そうなった時に皺寄せが行くのが利用者です。介護職員の全体的なレベルの低さ……少なくとも、全体的に見て家事手伝いと専門職である介護職員のレベルに大きな差がない現状は、そのような事も背景にあります。
利用者への負担は、利用者本人だけではなく利用者の家族へも更に皺寄せが向かいます。例えば自分の親を専門的ではない単なるちょっと献身的な主婦に任せよう、なんてのはよくよく考えれば正気の沙汰ではありません。仕方なく任せる事はあるかもしれませんが、安心して任せられるかといえば、その確率は中々低いと言わざるを得ません。
地域等にもよりますが、例えば、ホームヘルパー(訪問介護員)として働いている人には非常勤が多く、特に主婦がパートタイムで勤めている事が多々あります。育児の都合や扶養から抜けない為の所得制限による勤務制限……等々、これらの事情で時にはシフトを組む事が難しくなり、サービスを提供できなくなる、そう、「提供者側がサービスをドタキャン」する事だって少なくないのです。はっきり言って、異常です。仕方ないで見過ごせるレベルではありません。
これら様々な問題が介護報酬(職員の賃金)の低さによって全て解決出来るとは考えません。しかし、一部は必ず解決できます。介護に従事する事に対する関心は決して低いものではなく、むしろ高いと言っても良いでしょう。その様なやる気がある人にきちんとこの職業について頂き、きちんと定着できれば、技術レベルも上がり、国民全ての老後が安心出来るような状態へと変化する事に相違ありません。
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。