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ボラティリティー・インデックスの考察 その3


■ボラティリティー関連金融商品
ボラティリティー関連の投資商品には、VIXや日経ボラティリティー・インデックスに直接連動するような上場商品はありません。ボラティリティーを対象とする先物や、先物に派生する金融商品はあります。

■ボラティリティー先物
VIX先物の最終決済価格は、オプションの残存が30日となる日の始値で計算したVIXになります。
日経平均VI先物の最終決済価格は、オプションの残存が30日となる日の始値で計算した日経平均VIになります。

■コンスタントマチュリティ
保有する先物の満期を一定に保つような感じで毎営業日に少しずつロールオーバーする取引手法を、コンスタントマチュリティと呼びます。
VIX先物を満期30日に保つ運用成果に連動する指数を、VIX短期先物指数といいます。VIX先物のSQ日は、毎月第3金曜日の30日前です。
日経VI先物を満期30日に保つ運用成果に連動する指数を、日経VI先物指数といいます。日経VI先物のSQ日は、毎月第2金曜日の30日前です。
VIX関連の金融商品の運用成果は、VIX短期先物指数・VIX中期先物指数・VIX短期先物インバース指数に連動するものが多いようです。

■VIX短期先物指数に連動するETFの運用成果
ETFのリターンは、VIXの変化ではなく、先物の変化によって決まります。一般的には、期近の先物ほどVIXの変化の影響を強く受けますが、どの程度影響するかを予想することはできません。

■先物の期間構造
市場が平穏モードのときは、期先の先物の価値が高くなるコンタンゴの状態になっています。コンタンゴの状態で買い持ちのロールオーバーを繰り返すと、運用成果は大幅に目減りすることになるでしょう。
一方、市場が危機モードのときは、期近の先物の価値が高くなるダイバージェンスの状態になっています。ダイバージェンスの状態で買い持ちのロールオーバーを繰り返すと、目を見張る素晴らしい運用成果が得られるかもしれません。

■VIX短期先物指数に連動するETFの保有期間
保有期間が1営業日を超える場合、運用成果は先物の期間構造の影響を受けます。保有期間が長くなればなるほど、ボラティリティーの変化よりも先物の期間構造の影響のほうがより大きくなります。
ETF運用会社や指数開発会社の説明によれば、長期買い持ちは望ましくないとされています。長期買い持ちは、VIXの値上がりを期待した投資ではなく、先物の期間構造の見通しに対する投資になります。長期的にコンダンゴよりもダイバージェンスの影響がより大きいという見通しを持つのであれば、長期買い持ちは成功します。しかし、過去の経験によれば、長期買い持ちは失敗に終わります。

■VIX短期先物インバース指数に連動するETFの保有期間
保有期間が1営業日を超える場合、運用成果はVIX短期先物指数の変動の仕方の影響を受けます。
ETF運用会社や指数開発会社の説明によれば、長期買い持ちは望ましくないとされています。長期買い持ちは、VIXの値下がりを期待した投資ではなく、先物の期間構造と先物の価値の振動の程度に賭けた投資になります。
また、VIX短期先物指数は変動率が極めて大きくなる可能性があるため、インバース指数に連動する運用が早期償還される可能性があります。いわゆる“即死条項”です。早期償還の条件は、前日の指数終値の20%以下に値下がりする(終値を含むすべての値)ことです。
過去の経験によれば、1987年10月19日のブラックマンデーでは“即死”していた可能性があります。また、低ボラティリティが続く状態で短期的なボラティリティ急上昇が起きると、“即死”する可能性があります。指数を算出するようになった2004年4月26日以降では、“即死”はありません。
長期買い持ちは失敗に終わるとは言い切れませんが、超長期の買い持ちは“即死”により失敗に終わるでしょう。長期買い持ちする場合は、投入資金を総運用額のごく一部にとどめることを強く推奨します。

参考記事:
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