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大きく下げて

週末4月1日の日経平均は16164.16(-594.51)と大きく下げて終わった。基準線16574.36を大きく割り込み、雲の下限16091.35のすぐ上で何とか止まった形。MACDもマイナス圏に急落。パラボリックも数日前から下向き。戻り高値はもちろん、雲の上限も抜けられずに下降して下向きトレンドが明確になってしまった。週足も基準線の下、雲の下、パラボリックは下向き、MACDもマイナス圏で頭打ち。月足は雲の上だが、基準線の下、パラボリックは下向き、MACDはマイナス圏を下降中。長期、中期短期とも下降トレンドと言わねばならない。日足の雲の下限を割り込めば、最安値を確認する動きになりかねない。


ドル円のほうは11.71で0.86円の円高。比較的好調なアメリカの雇用統計をうけても、アメリカの金利上昇期待は高まらず、円安にはふれなかったのが特徴的だ。日足は雲の下、基準線、転換線の下。MACDは上昇しているがマイナス圏。パラボリックは上向きだが上昇ラインを割りそうになっている。週足も基準線、転換線の下で、MACDはマイナス圏を下降中。パラボリックは下降中。月足も雲の上だが基準線の下。MACDはプラスだが下降中。パラボリックは下向き。中期は円高方向だが、短期は円高方向ぶくみのボックス圏のようにみえる。


日銀短観が悪く、日経平均EPSも下がり、株価の基礎となる企業の業績面に不安が広がっていると思われる。特に心配なのは、多くの企業が117円をドル円の想定レートとしているということで、現在のレートからすると減益が不可避となるいうことである。アベノミクスは、結局実態を見てみると、いわゆる異次元緩和によって円安を誘導し、輸出企業の採算を改善、さらに政府主導で圧力をかけて賃上げを実現、トリクルダウンで消費を喚起しようという戦略だったと思われる。だが、マイナス金利が異次元緩和の限界を印象付けてしまったことでトレンドが円高に逆流、企業の景気見通しも軒並みに悪化、賃上げも不発で、このままではアベノミクス崩壊といわれかねない状況になっている。


では何ができるか。量的緩和はどうも天井にぶつかりつつあり、他方マイナス金利をこれ以上拡大しても、銀行の収支を圧迫する懸念がでてきて、市場には逆効果の可能性すらあるので金融緩和は望み薄。構造改革は、ちっとも具体化しないので話題にすらなっていない。では消費税の先送りを言っておきながら、インパクトのある財政出動ができるか。これもかなり疑問だ。結局日本経済の本格的な回復は、アメリカが順調にまず回復し、アメリカの金利が上昇し、日米金利差の拡大に素直に反応して円安局面が復帰してくることにかかっているように思われる。他人まかせの心もとないシナリオではある。


根本的には、おそらくクルーグマン教授の指摘の通り、中国経済の減速といった国際的な要因とともに、人口減少というもっとも基礎的な日本経済の条件の悪化が、大胆な金融緩和などにもかかわらず、日本経済の成長が芳しくない理由だろうと思われる。そうであれば人口減少を食い止め、少子化を阻止することで、潜在的な成長力を回復させることが最も重要な構造改革なのではあるまいか。


安倍政権はこうした課題に正面から立ち向かうだろうか。こうした政策の効果が表れるのはずっと先のことで、次の選挙のことをまず考える政治家がこうした迂遠な対策に本腰をいれるかどうかはかなり疑わしい。実は安部政権にとっての救いは、これだけ成長が鈍化し、国民の意見の分かれる安保法案を強引に通しても、まだ支持率が大きく急落していないことだ。もしアメリカ経済の回復による円安再来、それがもたらす経済の活況といういつくるかわからないゴールまで待てないのなら、安倍首相は、むしろ経済がこれ以上悪化しない今のうちに、ふたたび消費税先送りを争点に衆参同時選挙で勝負をしかけ、念願の憲法改正への信認をとりつけた形にしたいと思うかもしれない。選挙は水物なので結果はわからない。だが、経済の悪化を座して待つよりは、これ以上悪くならないうちに、アベノミクスを救えといったスローガンで柳の下の泥鰌を狙うというのは、政治的には十分ありうるばくちかもしれない。
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登録日時:2016/04/02(14:50)

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