jojuさんのブログ

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12/5読売9面、「21世紀の資本」(格差デマ)   

 表題は本日の読売新聞9面の著書インタビューより。
 
 この本は、フランス人の中堅経済学者Pikettyが書いたもので米国でヒットしたらしい。

 資本主義は放置すれば格差が広がるので公的関与が必要、という主旨の本。

 マルクスの資本論と全く同じ主張だが、そこに長期データをつけて格差拡大の証拠(?)を示してるところがミソ。

 しかし、この証拠なるものが非常におかしい。
 実体経済について幾ばくかの知識があるものならば突っ込みどころ満載である。
 格差には良い格差と悪い格差があるのが分かってないのです。

 以下、おかしい点を列挙する、、

(1)資産総額と国民所得のかい離拡大を格差拡大と断じているが、これは誤り

・ 平和な時代が続くと資産の蓄積が進み、資産総額>>所得総額となっていくのは自然なこと。 これは格差拡大を意味しない
・ Pikettyの示したデータでも大戦時に資産総額と所得総額の差が縮小してるが、これは戦争で資産喪失となったから。 格差縮小に依るものではない。


(2)米国で上位1割の層が国民所得に占める割合が増えてるのを、不公正な格差拡大のように書いてるが、それは誤り。 

・ 所得格差が広がる理由には、不公正なものと公正なものがある。 後者は公正ゆえ、それへの非難は不当だし、公正ゆえ固定化・持続化しない。 一方的に拡大しない。 
・ 高所得者になるには、階級的な特権=不労所得による方法と、重労働と高リスクを負う起業家として成功する方法の二つがあり、米国の格差拡大は後者で起きている。

・ 米国における格差拡大は、起業家の増大による格差拡大である。 それは経済成長と雇用・所得の増大ももたらすので、公正に格差が拡大すると同時に全国民が豊かになっていく。
・ 起業家の増大は経済的自由度の高さの反映である。 経済的自由度が高いゆえ経済競争が激しく、この格差は固定化しない。 一握りの成功した起業家に富(資本)が集中するが、この起業家層は絶えず入れ替わっている。
・ 成功するから資本が集中し、資本が集中するから成功する、、、成功する起業家にはこうした好循環が生まれるが、それは自由経済競争下なので永続しない。 新しいイノベーションが起きるたびに主役交代となる。

・ 米国で起きてるのは、Pikettyが考えているような不公正で固定的で一方的でゼロサムの階級的な格差拡大ではない。 それと真逆。 公正で入れ替わりが激しくプラスサムで反階級的な格差拡大である(格差は階級化でも広がるが、反階級化でも広がる)。

・ 実際、Pikettyの長期データでも起業家が増えた時代、イノベーションが盛んな時代に、米国における少数への富の集中が顕著化している。 それはエジソンなどが活躍した時代であり、IT革命の80年代以降である。

・ 

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 上記の誤り、経済デマは最近、左翼が盛んに吹聴してるものと同じ。
 Pikettyは実体経済を知らないか、知っていてあえて間違った解釈(デマ)を流布している。

 Pikettyは公正な格差と不公正な格差を混同し、格差はすべて悪とし、格差を無くすべく公的関与を強めろ、経済的自由を奪え、と主張してるわけです。
 
 これって、役所が個人資産を自由に差配する究極の官僚統制国家なんですよね(--;

 経済的自由がない低成長の官僚統制国家、階級社会。
 国民は皆、平等に貧しく、一握りの左翼官僚が富を独占する北朝鮮のような社会。
、、、、Pikettyや左翼のデマを鵜呑みにするとそういう社会に近くなる

 つまり、公正な格差を潰し悪平等化すると、皆が平等に貧しい社会になり、格差を潰す官僚だけが肥え太って不公正な格差が広がっていくのです。

 
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 さて、読売新聞はなんで、こんな人の論説に一面を割くのでしょうか?

 読売にもたぶん労組があり、左翼勢力が潜在的に強いからでしょう。
 社主のなべつね氏がいなくなったら読売も早晩、左傾化するかもしれません。

 日本の新聞・TVは保護規制で守られてるゆえ、役所と同じく何をやっても潰れにくく給料が減りにくい業界。 ゆえに労組が跳梁跋扈しやすく、過激化しやすいのだと思う。

 新興で起業色の強いフジ産経系列はその度合いが薄いが、ここも保護規制業界にいる以上、読売に続き左傾化するでしょう(その芽はすでにある。左右連携のような論説がたまにある)

、、、、保護規制の悪平等状態=社会主義的状態に新聞・TV業界を置いてるのは間違い。 これでは国民益を損なう左翼論説(デマ論説)一色にマスコミ世論が染まることになる。


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 Pikettyのような本が売れるのは、中国の通貨安政策と先進国の金融緩和不足(不況化)で中国に企業がシフトし、先進国で貧しい人が増えたせい
 貧民増大で政治の左傾化・悪平等化が進めば、上記の如く不公正な格差の固定と低成長化につながる。
 海外への「過剰な」企業シフト(経済空洞化)が起きないように、先進国は金融緩和を強化する必要がある(特に日本、欧州)

 また、金融緩和の余り金が自国バブル(崩壊してデフレ化、貧民増大)を起こさないように、バブル化し始めたら漸次、資本規制を強める必要がある(特に米国)


(補足) 陳腐化した産業で、海外への企業シフトが進むのは過剰な企業シフトではない。 それが起きなければ成長産業へ人材・資金が回らなくなり、経済成長は停滞する。 適度な企業シフトを起こすには、適度な金融緩和(適度な通貨供給増大)=適度な通貨安=適度な好景気=適度な物価上昇率(および資産バブルの抑制)が必要。  

 
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