あさっての投資家さんのブログ

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竹、月、力の物語2

目次

前回の話

 

 

第二話:善意

  
投機家のお爺さんと投資家のお婆さんに育てられた桃姫は、
えらいべっぴんさんに成長しました。
 
当然モテモテ。
桃姫は今日もランチを誰に貢がせ…もとい。
だれとお昼をご一緒しようか考えながら海辺をあるいていると、
なーんとそこには、今まさに海ガメを捕獲しようとしている
悪い業者がいるではあーりませんか!
 
心優しい桃姫はしっかりスマホカメラで証拠を押さえつつ、業者を諭します。
「やめなよぉー。アオウミガメはワシントン条約で捕獲は禁止されているの!
 捕獲をやめるかぁ、今から言う口座に500万を振り込むかどちらかをしなければ、
 手が滑ってWWF(世界自然保護基金)にこの写真を送信してしまうわよー♪」
 
「ア、アハハ、や、やだなー 誤解だよー。
 ちょっとこのカメが邪魔だったから どけようとしただけだよ。
 決してトラックに載せてうっぱらおうなんてしようとしてないよー。」
 
滝の様な冷や汗をかいて、業者はそそくさと逃げ去った。
やったね桃姫、見事に説得(と、ゆすりのネタ)ができたよ!

助けられた海ガメは感激しました。
「ありがとう、お嬢さん。お礼に…」
 
桃姫は満面の笑みを浮かべてこう言います。
「私のしもべになりなさーい♪」
 
「へ…!?」
予想外の提案です。
お礼は助けられたほうから提案するだろ、普通?
当然のことながら、海ガメは絶句します。
 
桃姫は続けます。
「こーんな美しい私に仕えられるんだからぁ、光栄でしょ♪」
 
やや追い込まれる海ガメ。
「いやでも…」
 
「あらぁ、何か不満や問題でもぉ、あるのかしらー?」
 
不満や問題…、いやいや不満と言うか、強引すぎる気が。
海ガメは恐る恐る訳を話します。
「ボク、乙姫に仕えている身なので…」
 
そうなのです。この海ガメ、ワシントン条約で守られているだけでなく、
乙姫の下僕…もとい、部下でもあるのです。至れり尽くせりですね。
だから、こんな所で言い合っても埒が明きません。
 
痺れをきらした桃姫は言いました。
「もー、めんどくさいわねぇ。
 しょうがないからぁー、私が直接話をつけに行ってあげるぅ!
 はやく乙姫の所に案内しなさーい♪」
 
戸惑いを隠せない海ガメ。
『えっと、一応、恩返しの為に竜宮城に案内できたって事で良いんだよね?
 結果オーライだよね?ボクが悪いわけじゃないよね?』
 
たぶん君が悪いわけではない。相手が悪かった、今回ばかりは。
苦悩を抱えたまま、海ガメは桃姫様をつれて竜宮城へ行くことにしました。
 
竜宮城で待ち受ける、桃姫の運命やいかに!
むしろ、海ガメの運命やいかに!?
続く!
 

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