preGさんのブログ

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平成の鬼平


米国のサブプライムローンから派生した世界金融収縮の懸念。市場は、FRB(米連邦準備制度理事会)にFFレートの下げを求め、18日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)でそれが発表されるものと予想している。
当初、市場予想は0.25%の利下げだったのが、時間が経てば経つほど下幅を織り込んで今や0.5%でもサプライズはないと云われている。そして、0.75%の利下げの予想までも...
一方、FRBのバーナンキ議長は一貫してインフレ警戒をゆるめず、市場の期待に対し「行きすぎた投機筋や投資は守る筋合いはない」とする声も当局から聞こえている。

これで思い出したのが、バブル退治「平成の鬼平」との異名でマスコミに持ち上げられ、本人も悦に入ってた第26代日銀総裁の三重野康氏だ。
1989年日経平均がピークを打つ頃、持つ者と持たざる者の資産格差是正を掲げ、大蔵省お達しの総量規制なるものをよろこんでしきついでに公定歩合もどんどん上げ続けた。日経平均が1万円近く不動産が3割の暴落し国民の悲鳴が絶望にかわろうとも「なんら実体経済には影響がない」として、時の副総理ミッチーこと渡辺美智夫氏から再々の牽制を受けても、がんとしてそのスタンスを変えなかった。失われた10余年をもたらし、我国を外資の草刈り場と化した代表的かつ売国奴的な御仁だ。忘れもしない、バブル退治の行き過ぎから負債で実生活にも汲々とする世論に対し、彼は「今は分からぬとも、幾年か経てば偉業として理解される」と宣った。カッコいいけど少々はずかしい台詞だった。そして今、やっぱりはずかしい結果となってしまった。
しかし、不況は10年以上も長引き、責任をとらされたのは持てる資産家ではなく、もちろん三重野総裁でもなく、持てる者になろうとした貧乏人と失業や廃業した社会的な弱者達だった。

中央銀行は独立性を主張するが、刻一刻と移り変わる市場の雲行きに対応し供給量と金利を決定する機能としてならそれも分かる。しかし、バブル退治だの資産格差是正だの、投機筋や行きすぎた投資を守る筋合いがないなどとする道理は政治でやるべきこと。中央銀行がこんなことを念頭におけば、意地や自負や勝手な使命が邪魔して本来の適時適量の手当ができないことに。結果、後にさらなる緩和期待と膨大な要求を生むことになるのではないだろか。
今回の金融収縮懸念、バーナンキ議長には一発で仕留めてもらいたいものである。日本からのアドバイス「鬼平はもうゴメンだよ」。
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