ユリウスさんのブログ

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昨年の衆院選は違憲 -蝸牛の歩みの最高裁-

 15時8分の日経速報によれば
「1票の格差が最大2.43倍だった昨年12月の衆院選は違憲だとして、弁護士らが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は20日、小選挙区の定数配分を違憲状態と判断した。」

 しかるに直ちに違憲とまではしなかった。「昨年の衆院選の区割りは憲法が求める投票価値の平等に反する状態にあったが、それが合理的期間内に是正されなかったとはいえない」と指摘しただけであった。

 16時20分の日経速報によれば、最高裁の判決を受けて
「世耕弘成官房副長官は20日午後の記者会見で、最高裁大法廷が同日2012年12月の衆院選について違憲状態と判断したことに対し、厳粛に受け止めると語った。今後の対応については内容を精査して適切に対処したいと述べるにとどめた。」〔日経QUICKニュース(NQN)〕

 憲法の番人たる最高裁判所はいつものとおり蝸牛の歩みみたいなものだし、立法府の国会も行政府もこれまた牛歩の歩みである。

 「遅いことは牛でもする」と言う俗諺があるが、まったくセンスが鈍くて話にならないと思う。憲法違反を放置しておいても何もしない立法府に存在価値はあるのだろうか? 現在の議員は憲法に違反した選挙で選ばれた議員である。厳密に言えば国会議員の資格がない。その議員たちが違憲状態の選挙制度をああだ、こうだとこれから検討するというのでは、笑うに笑えない悪い冗談みたいなものだ。



 翔年は9年前から、この問題はくどいとは思いながら、基本的な憲法違反が継続していると考えていますから、何回も何回も書いてきました。
2004年2月12日 「一票の格差是正は喫緊の課題」
 この時の参議院選挙の一票の格差はなんと5.02倍(=東京都/島根県=1,216,607/24,448人)でした。憲法14条一項に『すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、又は社会的関係において、差別されない』と書いてあって、この状態でも最高裁の判断は合憲であったのです。笑うしかありませんでした。

 その後
2004年2月19日 「熱意欠く定数是正 参院『一票の格差』」
 国会がこの問題で30分の会合を持っただけ。あきれ果てました。

2005年9月27日 「国勢調査にもとずいて、一票の価値を平等に」
 国勢調査で得られた数字を基礎にして、先を見通した政治をせよ提言。

2006年6月28日 「法律文と運用の乖離(2) -ひどすぎる日本」
 このときの格差は、衆議院 2.17倍、 参議院 4.84倍 でした。

2012年3月31日 「マッチポンプの民主党政治 - 最悪の政治手法」
 国会改革((憲法違反状態の一票の格差是正等)をやるべきと訴えています。

2012年11月13日 「民主党が反省すべきこと -マニフェストだけではない-」
 衆議院の定数減が廃案になったことに触れています。

2013年3月27日 「一票の格差訴訟の判断がほぼ出揃う -2012年衆院選-
 全ての裁判で地裁は「違憲状態」もしくは「違憲」と判断した。しかし、選挙無効まで踏み込んだ判決は広島地裁と広島地裁・岡山支部の2つだけ。翔年は「違憲」としながら選挙無効としないのなら、結果として選挙は有効になってしまうのだから、論理矛盾だとカンカンに怒っていました。(笑)




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